2017 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者と介護ロボットとの相互交流を促進する看護技術の構造化
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17K12407
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
出貝 裕子 宮城大学, 看護学群(部), 准教授 (40315552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 眞理子 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (90168998)
成澤 健 宮城大学, 看護学群(部), 助教 (90584491)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者看護 / 介護ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
まず最初に、介護ロボット導入の実態調査のため、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、介護療養型医療施設の合計3200施設を対象に、郵送留め置き調査を実施した。359名(回収率11.2%)からデータが回収された。この内、特別養護老人ホームが26.2%、介護老人保健施設が20.6%、グループホームが36.2%、介護療養型医療施設が15.0%であった。 対象者の内108名の施設(30.1%)で何らかの介護ロボットが導入されていた。導入されている介護ロボットは見守りセンターが多く、次いで移乗介助機器が多かった。コミュニケーション支援機器や介護業務支援機器はまだ導入実績が少なかった。 介護ロボットを導入していない理由として、経済的負担が大きいことが群を抜いて多かった。それ以外に、介護ロボット試行時の使い勝手の悪さあるいはメリットを感じられない体験、施設のスペースとのギャップといった課題も指摘された。また、介護ロボットの種類、機能、導入効果等情報が不足してること、介護ロボットの必要性を感じていないこと、介護にロボットを用いることが施設あるいは個人の介護理念と合致しないことも導入していない理由として挙げられた。コミュニケーションロボットの課題としては、利用者が飽きて関心が薄れること、利用者によっては介護ロボットがうるさく感じられ安楽が保てない状況もあることが示唆された。 以上の調査より、介護ロボットを有効に活用するためには、実装データを蓄積し導入成果を広く明らかにすることや対象者特性に応じた介護ロボットを用いたケアモデルを発信していくことが課題であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29に計画していた調査の一つはH30年に先送りになったが、おおむね計画どおりに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者とのコミュニケーションや高齢者間の交流を促進する看護行動、コミュニケーションロボットが介在する場合の交流支援の可能性について、エキスパート看護師に面接調査を実施する予定である。さらに、施設内でのコミュニケーションロボットを用いた場面の参加観察調査を実施する計画である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に計画していた、面接・参加観察調査を平成30年度の実施に変更したために当該余剰金が発生した。平成30年度は本来予定していた調査と合わせて進行する計画であり、データ収集のための旅費・謝金および、コミュニケーションロボットの購入に支出する予定である。
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