2017 Fiscal Year Research-status Report
看護基礎教育課程における認知症看護実践能力修得に向けたカリキュラムの開発
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17K12422
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
湯浅 美千代 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70237494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 さゆり 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30262182)
永井 優子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (40237491)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症ケア / 看護基礎教育 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
看護基礎教育課程における認知症看護の教育カリキュラム案を構築するために、4つの研究を計画し、平成29年度は以下の2つの研究を実施した。 研究1では、日本の看護基礎教育課程における認知症看護教育の現状と課題を明らかにするため、ホームページ上で開示されているシラバスを調査した。調査対象は看護系短期大学と看護系大学である。その結果、認知症に関する授業構成は、パターン①病態学、薬理学、疾病論、老年看護学、精神看護学、在宅看護学など、複数の領域で重複しつつ教授する、パターン②老年看護学または在宅看護学の一部として教授する、パターン③認知症(ケア・看護)を科目名に出し、まとまった授業を展開するなどがあった。このうちパターン①が多くみられた。 研究2では、海外の認知症看護・ケアに特化した教育について最新の情報を得る目的で、平成29年9月23日~10月3日まで、フィンランド、アイルランド、イギリスを訪問し、看護・介護基礎教育課程における認知症看護・認知症ケア教育に関するインタビュー調査、情報収集を行った。フィンランドでは、北西部の都市の応用科学大学を訪問し、NursingおよびElderly Careの教育課程の各担当教員、実習受け入れ施設である市の在宅ケア部門長、高齢者ケア部門長等へのインタビュー調査を実施した。アイルランドでは、首都圏の大学の看護学部を訪問し、看護学部長、高齢者看護担当教員に対してインタビュー調査を実施した。また、IGS 65th Annual & Scientific Meetingへ参加し、情報収集を行った。イギリスでは、JSPS Londonセンターにおいて情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究費の減額に伴い、調査計画を全体的に練り直したが、目的達成のため4つの研究を行うことは当初の計画通りである。研究1(日本の看護基礎教育課程における認知症看護教育の現状と課題を明らかにするための調査)、研究2(海外の認知症看護・ケアに特化した教育について最新の情報を得るための調査)はほぼ予定どおりに進んでおり、結果をまとめている段階である。 研究1、2をふまえて行う研究3(看護基礎教育課程修了時に求められる認知症看護実践能力(コンピテンシー)を明らかにする目的での調査)の準備段階に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1(日本の看護基礎教育課程における認知症看護教育の現状と課題を明らかにするための調査)、研究2(海外の認知症看護・ケアに特化した教育について最新の情報を得るための調査)のまとめを行い、成果報告を行う予定である。 研究1、2をふまえ、平成30、31年度は研究3(看護基礎教育課程修了時に求められる認知症看護実践能力(コンピテンシー)を明らかにする目的での調査)を中心に進めていく。まず、研究者間での会議をもち、調査内容を吟味していく。現在、会議にて提案する2案を検討中である。調査内容の決定後、書類を整え倫理審査を申請する。倫理審査の承認を得て調査を開始する。調査は複数の対象者へのインタビュー調査とその後の質問紙調査であり、デルファイ法を予定している。 研究1~3の結果をもとに、平成32年度に研究4(看護基礎教育課程における認知症看護の教育カリキュラム案構成のための研究)を実施する予定である。 それぞれの研究にリーダーをおき、リーダーを中心に計画を進める。研究会議をもち、研究実施と公表の目安ををもつことで研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
当初の計画の金額より減額があったため、調査方法を練り直した。研究1を質問紙調査からホームページでの開示情報からの調査に変更し、研究2、3は規模を縮小して実施する計画に変更した。その結果、研究1で使用予定の経費の一部を研究2に使用した。また、残額は次年度行う研究3の調査の実施経費と、研究1、2の結果をまとめ、発表の準備をする経費に充当する。
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