2019 Fiscal Year Research-status Report
就労移行/準備期にある精神障害者への「主観的健康観/体力促進プログラム」の開発
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17K12457
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
大井 美紀 梅花女子大学, 看護保健学部, 教授 (70314987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下寺 信次 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (20315005)
柴 英里 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (70611119)
矢野 宏光 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (90299363)
是永 かな子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (90380302)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精神障害者 / 主観的健康観 / 健康関連体力 / 体力促進 / 食生活改善 / 介入プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
就労移行/準備期にある精神障害者の体力低下や主観的健康観(自己効力感等)の低下により就労や地域生活の継続を断念せざるを得ない状況が急増し改善法の確立が国内外において、緊急課題となっている(申請者らの先行研究結果からも予防対策の緊急性が示唆された)。 2018年度には、申請者らが開発した既存プログラム「自己効力感促進プログラム」(本プログラムによる、自己効力感等の主観的健康観向上等一定の効果は検証されたが、継続性や、体力向上への課題が残されていた。)に改良を加えるために、1.関連する国内外の文献検討及び、2.研究協力施設での参加観察や関係者らへのインタビュー調査を行った。その後、3.前述した1,2をもとに、改良を加えたプログラムのパイロットスタディ第1段階を(無作為化比較試験は用いずまずは、研究協力への希望があった小集団において)実施した。その結果、1.作業環境(作業姿勢や作業構造、休息の取り方等)から生じる血流障害の改善の必要性、2.血流障害と関連する柔軟性や効果的な休息方法を取り入れた体操の試案、3.筋力や持久力を高める運動処方の検討、4.食習慣との関連性の検討が必要であることが明らかにされた 2019年度には、上記の結果を踏まえたプログラムの作成を行い、再度、パイロットスタディの第2段階を実施することを計画した。 上記結果を踏まえ、2019年度は、プログラムの精度と実用性を高めるため、改良の必要がある項目について修正作業を行い、パイロットスタディ第2段階を実施した。具体的には1.作業環境調査(血流障害等の状況含む)、2.オリジナル体操の構成、3.運動処方及び補助具・測定機器の選択、4.継続性と体力向上(筋力・柔軟性等)結果を出すための仕組みづくりの検討を行い「主観的健康観・体力促進プログラム」の改良中であり、2020年度は効果検証(介入)と普及の段階に入る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度の当初計画よりも「やや遅れている」主たる理由は、以下のとおりである。1)前年度に引き続きパイロットスタディ第2段階実施のご協力をいただいている研究協力施設の都合(担当者の異動、感染症対策他)により、パイロットスタディ実施の日程に変更(延期)が必要となったこと。2)研究協力者の一部に、就労などによる退所者が複数生じたため、効果検証のためのデータが不足し、新たな研究協力者を得るのに時間を要したこと。3)改良するプログラム内容(主に健康関連体力を向上させるための効果的な体操の考案と食生活改善の健康教育内容)の検討に時間を要したこと。があげられる。 特記事項として、本年度末に、新型コロナウィルス感染症の影響により、本研究のスケジュールの大幅な見直し修正が必要となった。(研究協力者の皆様の安全を守るための自粛の遵守他)特に、上記1.2から、当初計画していた研究報告作成(公表)には遅れが生じている。 年度末には新型コロナウィルス感染症の影響を受けたものの、前半ではパイロットスタディ第2段階の一部が実施できており、2018年度の課題としてあげられてた、より簡便で安全に、継続的実施が可能な方法の検討ができた。(具体的には、①必要な計測機器や補助具等の整備、②日本の伝統文化の要素を取り入れたプログラムの改訂、③研究者が先行研究において考案した健康体操「リフレッチング」の改訂などである)しかしながら、これらの改訂したプログラム内容について、パイロットスタディ第2段階の後半で実施する予定であったものが実施できていない。日本の伝統文化の要素を取り入れたプログラムに関する海外(の研究者とのディスカッション(国際セミナー等での)も当初計画していたが、中止となった。 以上より、今後の研究の進捗状況を鑑み必要である場合は、研究期間の延長も想定したい。
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Strategy for Future Research Activity |
施設及び大学双方において、新型コロナウィルス感染症対策における自粛がされており、本年度のプログラム適応(介入)の時期は保留となっている(6月現在:見通しとしては、8月末~9月)このことを踏まえ、今後の計画2020年度の主たる研究計画は、以下のとおりである。 1、介入プログラム「主観的健康観・体力促進プログラム」(2段階のパイロットスタディにより改訂された)に関する準備(時期:5-9月)として、①教室用パンフレットや健康日誌、実施マニュアル等の作成(印刷他)、②9月以降の介入に関する倫理審査(変更点等踏まえた内容について含む)③必要物品の購入計画(主観的健康観測定のための心理尺度、万歩計やトレーニング用具等の補充購入)、④実施における役割分担・実施マニュアル作成、2、研究協力者のリクルート(時期:7-9月)①協力施設への説明他、②説明会実施(口頭及び文書で説明し同意書ただく他)③実施スケジュール調整他、3、介入(データ収集と評価(プログラムの前後及び、介入終了3か月後)9月ー2021年1月実施予定、4、分析・報告書作成他(2021年2-3月)5、成果の公表準備(日本スポーツ精神医学会、日本森田療法学会等の学会や学会誌への投稿準備。プログラム改訂の内容については、梅花女子大学紀要への準備) 今年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、上記の計画の見直し修正も想定しておく必要がある。その場合は、研究の延長を検討する。 また、研究協力施設等から(既に)「主観的健康観・体力促進プログラム」の施設内への普及定着の方策(事業計画への組み込みやスタッフ研修会開催等)についての要望が出されているためその対応についても検討する。
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Causes of Carryover |
使用計画
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