2018 Fiscal Year Research-status Report
身体疾患で抑うつ患者への在宅療養移行セルフケア支援プログラム(TSCP)の開発
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17K12461
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇佐美 しおり 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (50295755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野末 聖香 慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 教授 (10338204)
宮崎 志保 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (30756242)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 在宅療養移行支援 / 訪問看護 / 身体疾患 / 抑うつ / 精神看護専門看護師 / CNS |
Outline of Annual Research Achievements |
研究同意の得られているA総合病院-A外来・訪問看護において,身体疾患で軽度―中等度の抑うつ(PHQ-9)が5-14点の患者10事例を対象にパイロットテストを行い,TSCPを修正した。TSCPは精神看護CNSが中心となり入院中は、精神看護CNSが入院中4回(1回45分,1週間に2回)PAS理論(精神分析的システムズ理論)を用いたセルフケア支援である。患者との間で心的安全空間を作り,患者の抑うつの背景にある怒り,衝動に触れ怒り,衝動のエネルギーを欲求および普遍的セルフケア上のニーズに変換し,患者自身がDER技法を用いてニーズを目標に変え目標に対するセルフケア行動を決定し,行動へ移すセルフケアの意図的過程を支援することとした。また退院後は、訪問看護開始時―開始後1か月間、精神看護CNSは入院時から引き続き,CNS看護面接を1週間に1回(1回45分),合計4回(1か月間)行い、自宅での負担感,不安感に焦点をあて,患者の怒り・衝動・悲しみを生きるエネルギーに転換し,欲求・普遍的セルフケア上のニーズに変え,患者自身がDER技法を用いてニーズを目標にし,目標に対し行動を意思決定しセルフケア行動へと移していけるようセルフケアの意図的過程を支援し,精神症状・治療・日常生活の再構築に関するセルフケアを促す。必要に応じて家族へも患者と同様に支援することとした。研究会議をもち、多数の事例をもとに検討を行い、介入技法についての検討、プロトコールの妥当性の検討を行った。また、TSCPを実施するCNS 2名,病棟看護師2病院7病棟の看護師200名,外来・訪問看護師20名(2訪問看護ステーション),合計222名にトレーニングを1日間8時間行い(1回30名ずつ7-8回実施),TSCP,TCプログラムが実施できるようにした。TSCP,TC群別々に行った。222名中、最後まで参加できたのは198名だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事例検討を多く行いながら介入技法、内容について検討を行っているためかなり介入の足並みがそろっていると考える。また評価方法についても明確になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、研究に同意が得られた2つの総合病院ならびにこれらの総合病院と常時連携している2つの訪問看護ステーションで,身体疾患を有し(心不全、脳血管疾患など)軽度―中等度の抑うつ(PHQ-9,5-14点)患者に対し,入院時に研究の同意を得,A総合病院-A訪問看護ステーション,B総合病院-B訪問看護ステーションで20名ずつTSCP、TCを実施する。平成30年度に開発したTSCP実施群40名とTC群40名(対照群)を比較し,介入前,退院時,プログラム終了時(訪問看護開始1か月後),プログラム終了1・2か月後に,抑うつ(PHQ-9),セルフケア(セルフケア質問紙),身体状態とQOL(SF-8),入院期間,地域での生活期間についてSPSSを用いて介入前後の比較を行う。またセルフケア質問紙の信頼性・妥当性の検討も行う。TSCP群は修正したTSCPを、TC群は入院中は受け持ち看護師が中心となり入院中ならびに訪問看護師による1週間に1回の訪問看護の通常ケアを行う。非無作為化比較試験のデザインで行う。2病院間,2訪問看護ステーション間での対象者の特性に有意差はないことを確認している。結果は専門家の指導・助言を得ながら国内外の比較を行いながらまとめる。
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Causes of Carryover |
会議を他の件の出張の際に一緒に行ったため、国内・国外旅費が安くすみ、かつSPSSの更新をする必要がなかったため、次年度使用額は介入研究であるため次年度の使用分に担保した。
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Research Products
(2 results)