2020 Fiscal Year Annual Research Report
Validation of the 10-item Internalized Stigma of Mental Illness Scale: Validation of the Japanese Version
Project/Area Number |
17K12482
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Research Institution | Nagaoka Sutoku University |
Principal Investigator |
田邊 要補 長岡崇徳大学, 看護学部, 教授 (50515319)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 内面化したスティグマ / ISMI尺度 / 短縮版 / 信頼性 / 妥当性 / 精神障がい者 / 精神測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究の成果は次の通りである。2021年12月21日に日本精神保健看護学会誌に「短縮版・日本語版ISMI(精神障がい者の内面化したスティグマ)-10尺度の信頼性・妥当性」というタイトルで投稿した。1月に論文が戻り、2名の査読委員のコメントに回答するとともに論文を修正し再提出した。その結果、2月4日に、日本精神保健看護学会誌編集委員会での審議の結果、「受理」となったとの知らせを受けた。論文は原著であり、単著である。掲載される日本精神保健看護学会誌の発行は2021年6月末の予定である。 2017年4月中に調査票及び研究計画書の作成を終え、5月に高崎健康福祉大学の倫理委員会に研究に係る許可申請書類を提出し、6月5日に許可が出た(高崎健康大倫第2910号)。その後、調査施設を選定し、2017年8月~2018年2月の間で、群馬県内9か所、新潟県内12か所および埼玉県内9か所の社会福祉施設で定期的に精神科外来に通っている242名に自記式質問紙を用いて調査を行った。 データ分析の結果、全体の内的整合性のα係数は.81であり、再テスト信頼性係数はr=.78であった。基準関連妥当性に関して、日本語版ISMI-10尺度は抑うつと正の相関関係があり、自尊心、エンパワメントとは負の相関関係があった。構成概念妥当性については、2つの因子が得られ、第1因子を「内面化したスティグマ」、第2因子を「スティグマ抵抗」とした。 日本語版ISMI-10尺度は、日本語版ISMI-29尺度と同じ程度の信頼性・妥当性が確認された。日本語版ISMI-10尺度は日本における精神障がい者の内面化したスティグマ尺度として有効なツールとして使用できるであろう。今後は、この尺度が日本の臨床医や研究者などによって使われ、精神障がい者の理解が深まるとともに精神障がい者のリカバリーが推進されることを期待する。
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