2017 Fiscal Year Research-status Report
終末期在宅独居療養者支援におけるインフォーマルサポートとの連携に関する研究
Project/Area Number |
17K12489
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岡部 明子 東海大学, 健康科学部, 准教授 (90287053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 孝子 東海大学, 健康科学部, 講師 (70580851)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 在宅独居療養者 / 終末期支援 / インフォーマルサポート / 訪問看護師 / 介護支援専門員 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、在宅独居療養者への訪問看護師・介護支援専門員による支援におけるインフォーマルサポートの把握と連携方法、サポート活用に関する課題認識を明らかにすることを目的に、首都圏の人口30万人以上の市区(30ヶ所)の訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所728施設の管理者246名、訪問看護師246名、介護支援専門員236名対象の無記名自記式質問紙調査(郵送法)を実施した。調査内容は、基本属性、終末期独居療養者支援におけるサポート活用の実際、重要性・困難さの認識、課題認識であった。分析は記述統計を算出し、自由記載は意味内容から類似する意見を抽出した。91名(回収率12.5%)のデータを分析した。 結果としては、終末期独居療養者のインフォーマルサポートは、別居家族が最も多く、親族、友人、近隣の順であった。その活用の重要性認識度はVASで平均80を超えており、支え手としての一定の役割期待がある。一方、活用の困難さも70前後と高く、別居家族の負担増大懸念、近隣・友人等の担い手確保が難しい現状が示唆された。役割は、訪問看護師が症状緩和、医師や多職種との連携、精神的支援を、介護支援専門員は療養者の意思に基づくインフォーマルサポートの探索と橋渡し、医療職との連携をあげていた。課題として、住民の理解、地域づくりが共通していた。 今年度は在宅独居療養者の終末期の支援を実施した訪問看護師および介護支援専門員へのインタビュー調査によりインフォーマルサポート活用支援の実際と課題について、質的記述的研究を実施する予定である。またそれらの支援者からの紹介により、インフォーマルサポート提供者へのアクセスが可能な場合は、実際に独居者の在宅見取りにかかわった提供者へのインタビュー調査も実施したいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、首都圏の都市部の訪問看護師と介護支援専門員を対象にアンケート調査を実施したが、もともと独居療養者の見取り支援経験を有する専門職はかなり少ないと予測していた通り、回収率が12%という結果であった。またインタビューが可能な場合の連絡先の確保の依頼への反応も3名と少なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、量的調査による全体的な傾向の把握のために、調査対象と方法の再検討を行う必要がある。またインタビューによる質的な研究の遂行に向けて、調査対象のリクルート方法の再検討も必要である。すでにインタビュー調査への協力について可能性がある対象者からのスノーボールサンプリングによるリクルートや、独居療養者の見取りに関する既存の学会発表等の資料を参照しながら、調査対象者の確保に努めることを方策として考えている。
|
Causes of Carryover |
アンケート調査の回答の返送は受取人支払いにより実施したが、回収率が低かったことにより郵送費の支出が計画当初よりも低い額となったため。次年度はインタビュー実施の際に対象者への研究協力依頼等のやりとりに必要な郵送費に充当する予定である。
|
Research Products
(1 results)