2018 Fiscal Year Research-status Report
終末期在宅独居療養者支援におけるインフォーマルサポートとの連携に関する研究
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17K12489
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岡部 明子 東海大学, 医学部, 准教授 (90287053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 孝子 東海大学, 医学部, 講師 (70580851)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インフォーマルサポート / 在宅独居療養者 / 在宅看取り / 訪問看護師 / 介護支援専門員 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は在宅独居療養者への訪問看護師・介護支援専門員による支援におけるインフォーマルサポートの把握と連携方法、サポート活用に関する重要性と課題認識を明らかにすることを目的に、平成29年度に実施した無記名自記式アンケート調査を首都圏の人口20万人以上30万人未満の市区に対象地域を広げたうえで、実施した。現在、分析中であるが、そのうちの介護支援専門員から得られたデータについて、前年度と合わせて記述統計を行い、自由記載は意味内容でコード化し類似する意味からカテゴリーを抽出した。92名より回答が得られ(回収率17.3%)独居在宅療養者の看取り支援事例(87事例)におけるインフォーマルサポート提供者の状況は、別居家族が最も多く、次いで親族、友人、近隣、民生委員・自治会の順であった。インフォーマルサポート提供者の把握方法は、療養者本人から、病院のMSWから、退院前カンファレンス、病院看護師から、別居家族からの順であった。インフォーマルサポートの提供者に求めた役割は、日中の声掛け、安否確認・緊急連絡、買い物・身辺の世話、夜間の声掛け・話し相手の順であった。インフォーマルサポートの重要性の認識はVASで平均82.8、困難さの認識は平均64.0であった。介護支援専門員の役割、課題として多岐にわたる内容が抽出されたが、特に個人情報保護と責任の所在の問題を慎重に取り扱う必要性を認識し、信頼関係を構築しながら、ケアチーム構築へと活かす工夫を明らかにする必要性が示唆された。 なお平成30年度には、訪問看護師、介護支援専門員、インフォーマルサポート提供者に対するインタビューを10名ほど実施したので、今後、そこで得られたデータを質的に分析し、実際の状況と課題を提示していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
在宅独居見取りの事例自体がまだ少ない状況が予測されるため、アンケート調査の回収率が20%を切る状態であったのは予測の範囲内であった。ただ、インタビューの対象を把握することが難しく、当初15名の予定を立てていたが、現在までに10名ほどにとどまっており、今年度は残りの5名を対象としてインタビューができるようにしたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー対象者の開拓のために、無作為抽出には限度があるため、日頃の在宅看護学教育や研究活動においてこの研究課題につながるような情報をできるだけ集めながら、必要時には知己による対象者獲得やスノーボールサンプリングなどを行いながら対象者数を増やす予定である。また、ホームホスピスなどの状況についても調査を行い、我が国における独居療養者の看取りを取り巻く、ボランティアや一般住民と専門職の連携のあり方について探索をする予定である。
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Causes of Carryover |
予定よりもインタビューの対象者数が下回ったため。翌年度はさらにインタビュー対象を開拓し、質的な分析を行う予定である。また、ホームホスピスにおけるインフォーマルサポートとの連携の状況についても調査を行う予定である。
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Research Products
(1 results)