2018 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護における移動中の交通事故の現状と課題に関する研究
Project/Area Number |
17K12503
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
早川 りか 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (50737575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 裕江 山陽学園大学, 看護学部, 教授 (30259593)
堀 智子 藍野大学, 医療保健学部, 助教 (30772800) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 訪問看護事業所 / 訪問看護事業所の管理・運営 / 訪問時のインシデント / 訪問時の交通事故 / 訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
訪問看護の移動中の交通事故は、看護師の安全確保および訪問看護事業所を運営する上で重要な課題である。本研究では、全国に9735施設ある訪問看護事業所のうち無作為に抽出した3000施設へ質問紙を郵送し、「移動の方法」、「移動の環境」、「移動中の事故の発生状況」、「訪問看護事業所の管理体制」についての調査を行い、詳細な検討を行った。 平成28年度の1年間に発生した移動中の事故は897件であり、事故の発生件数と訪問件数および移動時間との相関はみられなかった。事故の発生数を施設数で割った1施設あたりの事故発生数は、0.95件となり、1施設あたり1年間に1件の事故が起こりうると考えられる。地域特性との関連については、豪雪地帯を含む都道府県は訪問件数が少ないが1施設あたりの事故発生数は多い傾向にあり、都市部では訪問件数が多く移動時間が短いが事故発生数が多い傾向がみられた。 負傷で最も多いのは頸椎捻挫で、以下、骨折、擦過傷、打撲などがみられた。負傷後の経過としては、通院による治療がもっとも多かったが、入院、休職と深刻な事態になっているケースもあった。事故の種別と移動方法の関連では、ミニバイク、電動自転車、自転車の場合、事故時の負傷率が有意に高かった。 自由記述欄を分析した結果、事故の原因に関するもの、交通違反に関するもの、事故策に関するものに分類された。事故の原因としては、雪や雨などの悪天候に関するもの、時間の逼迫による焦りが多く挙げられていた。これらへの対策として、時間のゆとりの確保が最も多く挙げられた。また、事故以外にも駐車場の問題や交通違反に関する悩みや困難感についての記載がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に実施した質問紙結果の分析に時間がかかったことが主な原因である。特に自由記述欄の一部において、切実な現状を訴える長文の記載がみられたことも一因となっている。今後においても、引き続きデータの分析をすすめていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、質問紙調査の結果を踏まえた上で、訪問看護事業所の実態調査を実施する予定である。各地の訪問看護事業所に赴き、事業所の管理体制や事故時の対応方法についての視察を行う。 調査内容や調査方法の検討を行うとともに、調査先の事業所の選定や依頼の準備を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
訪問看護事業所の現状調査を実施する予定であったが、調査先の選定がすすまなかったため、研究に遅延をきたした。このため旅費及び人件費・謝金の次年度使用額が発生した。 本年度において、この調査を適切に進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)