2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12513
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
山崎 登志子 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50282025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 百合子 広島国際大学, 看護学部, 講師 (10364118)
野間 雅衣 広島国際大学, 看護学部, 助教 (20769260)
大沼 いづみ 広島国際大学, 看護学部, 助教 (40441571)
松本 睦子 広島国際大学, 看護学部, 教授 (90263706)
俵 由美子 広島国際大学, 看護学部, 准教授 (00320060)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精神障がい者 / 倦怠感 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障がい者のQOLを向上させるための一助として倦怠感に着目し、地域で生活する精神障がい者の倦怠感の特徴とその関連要因を明らかにするため研究を行なってきた。その結果、①デイケア通所中の精神障がい者の倦怠感は入院中のがん患者より強いことや同じ因子構造であること、②抗精神病薬、睡眠、適度の運動、時間等がその関連要因であることの2点が明らかになった。これらの結果は比較のためがん患者の倦怠感尺度を用いており、精神障がい者に適応できるという信頼性、妥当性は得られたものの、当事者の訴えや先行研究から、精神障がい者の倦怠感はこの尺度の内容だけでは不足しており、独自の構成要素を盛り込む必要があった。そこで2017年度から、精神障がい者に対する新たな倦怠感尺度の開発を行なうことを目的とした研究を行っている。 2018年度は文献検討により、がん患者の倦怠感尺度に加え、海外におけるHIV患者(Li,2016;Carcia et al,2015)や慢性呼吸不全患者(Naljas et al,2012)、パーキンソン病患者(Schiehser et al,2013)、多発性硬化症(Penner et al,2011;Sehle et al,2011)等の倦怠感尺度の構造分析を行い、精神障がい者の倦怠感尺度案の作成を目指している。現在のところ、27件の倦怠感に関する海外文献から抽出された倦怠感の構造として、がん患者の倦怠感3因子(身体的倦怠感、認知的倦怠感、精神的倦怠感)に、活動性の低下、意欲の低下を加えた5因子構造が予想されている。さらに、運動、思考、対人、心理社会的といった倦怠感の原因に着目した内容も導き出されており、これらの原因を質問項目にどう反映させるかについての検討を行い、最終的な倦怠感尺度案の作成に向け、アイテムプールを整理しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主研究者の怪我による入院に伴い、退院後の5月から教育活動を集中講義等で再開した。教育活動が平常に戻る7月から研究活動を再開する予定であったが、7月の豪雨災害の影響で3週間強の大学閉鎖および休講を余儀なくされ、研究活動の再開が困難になった。加えて調査協力予定であった病院が被災したため、調査予定も中断せざるを得ない状況に陥った。これらの状況から、研究活動が再開できたのが2月となり、検討した文献を整理し倦怠感尺度案作成に向け、アイテムプールを整理している状況にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、精神障がい者倦怠感尺度案の完成を目指すことと、尺度の妥当性検証の準備段階として、新たな倦怠感尺度との関連が予想されるがん患者対象の倦怠感尺度を用いたセラピューティック・レクリエーションの効果に関する調査を行うことの2点を実施予定である。 1.精神障がい者倦怠感尺度案の完成 現在行っている倦怠感構成要素の整理ができた後、精神科看護および成人看護を専門とする研究者間でワークショップを行い、尺度案(1)を作成する。尺度案(1)を基に、精神障がい者、精神科医療・福祉の専門家に半構造化面接調査を行うための倫理申請を行う。その後の面接調査は2020年度となる予定である。 2.妥当性検証のための調査 2018年度に行う予定だったセラピューティック・レクリエーションの効果に関する調査の依頼可能病院を新たに探し、調査を実施する。この調査における倫理申請は通過していたが、実施期間延長の再審査を行う必要がある。
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Causes of Carryover |
主研究者の入院や災害の影響で研究スケジュールが遅れたため、2018年度の予算は調査に使用予定だった機材の一部購入にとどまった。 2019年度は調査時期が確定した後に、調査に必要な追加機材および消耗品の購入を行う。さらに調査実施施設が決定後に、調査協力者への謝金や実施補助者への人件費が発生するが、これらを2019年度に繰り越す予定である。
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Research Products
(1 results)