2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12513
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
山崎 登志子 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50282025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 百合子 広島国際大学, 看護学部, 講師 (10364118)
野間 雅衣 広島国際大学, 看護学部, 助教 (20769260)
大沼 いづみ 広島国際大学, 看護学部, 助教 (40441571)
松本 睦子 広島国際大学, 看護学部, 教授 (90263706)
俵 由美子 広島国際大学, 看護学部, 准教授 (00320060)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 精神障がい者 / 倦怠感 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障がい者のQOL向上の一助として倦怠感に着目し、地域で生活する精神障がい者の倦怠感の特徴を明らかにするため、精神障がい者のための新たな倦怠感尺度の開発を行うことを目的に研究を行なっている。2019年度は文献検討により、がん患者の倦怠感尺度に加え、海外におけるHIV患者(Li,2016;Carcia et al,2015)や慢性呼吸不全患者(Naljas et al,2012)、パーキンソン病患者(Schiehser et al,2013)、多発性硬化症(Penner et al,2011;Sehle et al,2011)等の倦怠感尺度を基に構造分析を行った。また、文献から精神障がい者の倦怠感の表現を抽出し、質的機能的に探索することで、「疲れやすさ」10項目、「だるさ」8項目、「意欲の低下」15項目、「集中力の低下」7項目、「活動性の低下」11項目、「体力の低下」8項目、「思考力の低下」20項目、「動作の緩慢さ」2項目の8構造91項目が倦怠感の構造として抽出された。 2020年度はこの結果を基に精神障がい者やデイケア等のスタッフへの面接を行う予定であったが、コロナ禍の影響で当事者への面接はできなかった。しかし、精神科看護師およびPSW合わせて6名の協力を得、抽出された91項目について、内容的妥当性の検証を行い、最終的に「疲れやすさ」9項目、「だるさ」6項目、「意欲の低下」12項目、「活動性」11項目、「体力の低下」8項目、「動作の緩慢さ」2項目、「集中力の低下」4項目、「思考力の低下」10項目、「社会的影響」6項目の合計9構造69項目に厳選された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究開始後の2018年2月~4月にかけ主研究者の入院があり、研究計画が遅延したことに加え、7月には西日本豪雨災害により、調査協力予定であった病院が被災し診療中止に追いやられ、調査対象施設を新たに確保せざるを得ない状況に陥った。また、大学への交通機関が2か月間ストップしたため、その間の教育への対応に追われ、研究活動が進まなかった。 2019年度に研究活動を再開し、文献検討から得られたアイテムプールに加え、看護師やPSWに対面で意見を求め、精神障がい者倦怠感尺度案を作成した。2020年度はこの尺度案を基に、デイケアに通所している精神障がい者へのプレテストを予定していたが、コロナ禍により、調査実施を中断せざるを得ない現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の収束を待って、2020年度に滞っているプレテストを実施する。具体的には、調査協力の得られた1施設のデイケア通所者約30人に精神障がい者倦怠感尺度におけるアンケート調査を行うとともに、アンケート実施者およびデイケアスタッフに意見を聞き、内容的妥当性を高める。その後、デイケアおよび就労施設、作業所等に通所している精神障がい者約2000人へのアンケート調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度はコロナ禍の影響で主対象者への調査が全くできず、近隣の施設勤務者へのインタビューにより、倦怠感尺度の内容的妥当性を検証するにとどまった。面談方法は接触機会を減らすため、短時間で他の業務と抱き合わせで実施したため、交通費は業務と重複することとなり、研究に係る支出にはなっていない。また、コロナ禍への対応で余裕がなく、学術集会への参加も見送ったため、使用額は0であった。 2021年度は、検討した尺度案を基に、1施設のデイケアに通所している精神障がい者約30名へのプレテストを行い、さらなる内容的妥当性を探索した後、全国の地域で生活する精神障がい者約2000名へのアンケート調査を実施する。その際、郵送法のみではなく、web上での回答も導入する。12月を締め切りとし、その後、尺度の信頼性、妥当性について分析を行う予定である。
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