2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12513
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
山崎 登志子 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50282025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 百合子 広島国際大学, 看護学部, 講師 (10364118)
野間 雅衣 広島国際大学, 看護学部, 助教 (20769260)
大沼 いづみ 広島国際大学, 看護学部, 助教 (40441571)
松本 睦子 広島国際大学, 看護学部, 教授 (90263706)
俵 由美子 広島国際大学, 看護学部, 准教授 (00320060)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精神障がい者 / 倦怠感 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん患者の倦怠感尺度は現存するが、がん患者と同じように倦怠感が強い(2015,山崎ら)精神障がい者の倦怠感を明らかにする尺度は開発されていない。本研究は地域で生活する精神障がい者の倦怠感を明らかにし、その改善を行うことでQOLを向上する一助として、新たな精神障がい者倦怠感尺度の開発を行なうことを目的としている。 2022年度は2021年度のプレ調査を基に修正した倦怠感尺度案53項目の他、自覚症状13項目と勤務状況7項目で構成されている疲労蓄積度チェック(厚労省)、疲労・倦怠感の程度を示すPS(Performance status)、および年齢、性別、病名、向精神薬の内服状況、通所施設の種類、施設への参加状況、COVID-19のワクチン接種の有無等の個人データを加えたアンケートを作成した。 その後、2022年3月から6月にかけ、知人の紹介やHP上の情報を元に78か所の施設代表者に協力要請を行い、了承が得られた63か所に調査依頼を行った。 結果、3月から11月にかけ、967部のアンケート用紙を配布し529人から有効回答を得た(回収率63%、有効回答率87%)。回答者の内訳は、以下である。 通所施設はデイケア147人(27.8%)、就労施設256人(48.3%)、地域活動支援センター63人(11.9%)、GH6人(1.1%)、不明57人(10.8%)であった。個人属性は性別:男性330人(62.4%)、女性196人(37.1%)、不明3人(0.6%)、平均年齢:48.3歳(SD=12.6)、病名:統合失調症281人 (53.1%)、気分障害114人(21.6%)、神経症16人(3.0%)、その他85人(15.9%)、不明34人 (6.4%)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
西日本豪雨災害、研究代表者の入院、その後コロナ禍となり研究計画が大幅に遅れていたが、2022年3月にプレ調査が実施可能になったことで、最終版の精神障がい者の倦怠感尺度案を作成することができた。この案を基に、78施設に調査を行い、63施設でアンケート調査を実施した。アンケートに協力できない理由として、コロナ禍による職員の多忙や通所者の減少をあげる施設も少なからずみられ、施設運営の大変さが垣間見られた。 2000人へのアンケート調査で25%の有効回答(約500人)を目標にしていたが、全国に無作為に配布するのではなく、知人の紹介やHP上の情報を元にスノーボールサンプリングを行ったこと、また、事前に調査の趣旨を説明し、協力の可能性を打診後にアンケートを送付する方法に変更したことで、回収率が63%と予想より高く、目標有効数500人に対し529人と有効回答数の目標を達成できた。また、コロナ禍で通所できない方でも回答できるようWeb調査も試みたところ、Web回答は22名(有効回答者の4.2%)であった。 現在有効回答529人のデータを分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年10月までに、尺度項目の厳選を行い信頼性・妥当性の検証を行う。具体的には以下である。 アンケートを行った尺度案は下位尺度ごとに主成分分析を行い、I-T相関が低くα係数を上昇させる項目を削除していくとともに、平均値と標準偏差を求め天井効果、フロア効果を確認し、尺度項目をより精選させる。その後、精選した尺度項目を分析対象とした探索的因子分析にて因子的妥当性の検討を行い、共分散構造分析による確認的因子分析にて、本倦怠感尺度の構成概念妥当性を検証する。また、倦怠感尺度と類似した項目が含まれる疲労蓄積度チェックおよびPS(Performance status)との間で相関分析を行い、併存的妥当性の検討を行う。次に残された尺度項目のCronbach's α係数およびθ係数により、内的一貫性、内的整合性を評価する。 これらの分析により尺度の信頼性・妥当性が検証された後、2024年3月までに論文作成および協力対象者へのお礼とともに、結果報告を行う。
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Causes of Carryover |
調査データの収集は終了したが分析がまだ途中であり、1年研究期間を再延長したため。 研究費はデータ分析および論文作成のためのノートPC購入、また、研究協力者への報告書作成および報告書発送、論文投稿等に使用する。
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