2017 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護における特定行為の必要性と生活モデルの視点および研修受講に向けた課題
Project/Area Number |
17K12515
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
佐藤 千津代 四国大学, 看護学部, 講師 (10721938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 真佐子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (10433608)
渡部 光恵 四国大学, 看護学部, 助教 (20762412)
鈴木 浩子 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (40468822)
村田 加奈子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (70381465)
入江 慎治 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (90433838)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 特定行為 / 生活モデルの視点 / 研修受講ニーズ / 特定行為の必要性 / 研修受講の課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は①特定行為の必要性、②研修受講ニーズ、③受講する上での課題、④生活の視点で特定行為を実践するために必要なことはなにかを明らかにすることである。平成29年度は、平成30年度に実施する質問紙調査の予備調査としてインタビューデータを収集し分析することであった。 8名の訪問看護師に研究目的に沿って半構成的面接法を実施し分析した。その結果、③の受講する上での課題は、「本人のレディネス」、「負担の大きさ」、「受講の条件」の3つのカテゴリーに整理された。研修を受講するには、受講者の明確な意思や受講に値する看護師の実践能力といった「本人のレディネス」が重要であり、遠方での受講が困難・長時間受講することの負担・受講により現状の業務継続や両立が困難といった「負担の大きさ」を考慮する必要性が示された。更に「受講の条件」として家庭環境を考慮すること・所属機関の承認・同僚の理解・受講費用の負担・事業所の受講環境の整備が必要であることが明らかとなった。 ④の生活の視点で特定行為を実践するために必要なことは、「利用者のアセスメント」、「家族のアセスメント」、「心身の安定を促進する看護ケア」、「生活の質を尊重するケア」、「家族への指導」、「関係職種との連携」の6つのカテゴリーに整理された。「利用者のアセスメント」は意向把握に始まり、身体面・心理面・生活面・環境面に及び、「家族のアセスメント」の内容は介護負担・医療処置能力などであった。また、悪化予防・身体的回復などの「心身の安定を促進する看護ケア」とともに、利用者・家族の背景を考慮した「生活の質を尊重するケア」を行っていた。「家族への指導」では、医療処置に関する技術指導や介護指導、経済的負担への配慮をし、更に「関係職種との連携」にも多くの時間を割いていた。 ①特定行為の必要性②研修受講ニーズについては現在分析を終了し、まとめている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度はインタビューを実施し、平成30年度に実施する質問紙調査の基礎資料を得る予定であったが、インタビューは予定より少ない人数(20人⇒8人)で終了した。理由は新しい知見を得られるデータを収集できる見込みがないためである。なお、8人分のデータ分析作業は3月までに終えている。昭和大学の研究分担者との会議は4回実施、分析作業はスーパーバイズを受けながら実施し、全員納得できる分析内容となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、平成30年12月に開催される在宅看護学会でインタビューデータの分析結果を発表予定であるため、抄録を書く作業をしている。平成30年度はインタビューデータをもとに質問紙を作成し、全国の訪問看護ステーション1000か所に発送する予定である。なお、回収した質問紙調査のデータ分析作業は、平成31年3月までに終える予定である。 また、平成29年度のインタビューをさらに発展させ、都市部の訪問看護師または特定看護師にインタビューを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
20人を予定していたインタビュー参加者の確保が進まず8人となってしまったため、謝金及びテープ起こしの人件費が不要となり残額が生じた。残額については、平成30年度に、都市部の訪問看護師または特定看護師にインタビューを予定しているため交通費と人件費に使う予定である。さらに、平成30年度は全国規模の質問紙調査を予定しており、入力業務の人件費とともに、昭和大学と四国大学での質問紙作成に関する会議を頻繁に開催しなくてはならないため交通費を必要とする。その他にも、質問紙の印刷費、発送のための通信費が必要であり、それらの費用に充てたいと考えている。
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