2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a family care training program for enhancing abilities of daily activities and dignity for person with dementia
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17K12538
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
西田 征治 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (90382382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 真寛 京都大学, 医学研究科, 助教 (00732182)
山西 葉子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (30423627)
藤巻 康一郎 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (50324570)
三宅 由希子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (60433380)
上城 憲司 西九州大学, リハビリテーション学部, 教授 (90454941)
白井 はる奈 佛教大学, 保健医療技術学部, 准教授 (90346479)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パーソンセンタードケア / 支援技能 / 動機付け / 作業遂行 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず昨年度に実施した調査研究のデータを分析した。対象を現役で認知症者を介護している家族介護者4名と現役で臨床実践をしている作業療法士1名に絞り,インタビューデータを質的帰納的に分析した。その結果,家族介護者が認知症者の日常活動の遂行と尊厳を高めるために必要な要素として,【支援技能】【パーソンセンタードケアの知識・態度】【動機付け】の3つが導き出された。【支援技能】には,「活動を開始する前に環境を整える」「手がかりを与える」「使い慣れた道具を選択する」など10個の項目,【パーソンセンタードケアの知識・態度】には「本人の意思を尊重し無理強いしない」「本人の立場に立って考える」などの8個の項目,【動機付け】には「自身の心と体の健康を保つ」「支えてくれる人を持つ」など7個の項目が含まれていた。 次に,認知症者の日常活動の遂行を促し尊厳を高めるために家族介護者に必要な要素が,【支援技能】【パーソンセンタードケアの知識・態度】【動機付け】の3つの要素に分類することの妥当性とこれらの構造を明らかにすることを目的として,先の研究結果をもとにアンケートを作成し,調査研究を行った。調査対象は,研究協力の得られた認知症デイケア施設やデイサービス施設4カ所,認知症カフェ2カ所を利用している認知症者を介護する現役の家族介護者とした。この研究を実施するにあたり,必要に応じて研究対象施設の倫理委員会の審査を受けた。研究協力機関の作業療法士などを通じて,調査対象者に説明と同意を行いアンケートの協力を求めた。現在のところ106通が配布され,75通が回収された(回収率約71%)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度にインタビューによって得られたデータを質的帰納的に分析する際,共同研究者らと同意が得られる形で進めたため,分析に時間を要した。また,分析結果の妥当性と得られた要素の構造を検討するために,アンケート用紙を作成し,6つの施設や機関に協力を求め,アンケートを実施した。当初の計画では,研究者らとつながりのある数名の家族介護者にアンケートを実施して,それらを検討する予定だったが,共分散構造分析を行うためには,多くのデータが必要であることが判明し,研究協力機関を探し,依頼する必要性が出てきた。研究協力機関からの求めに応じて倫理委員会の審査を受ける必要性が出たため,審査に時間を要し研究の進捗に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,アンケートの回収が順調に進んでいるため,回収の締め切りが過ぎた時点で,因子分析及び共分散構造分析を行い,認知症者の日常活動の遂行を促し尊厳を高めるために家族介護者に必要な要素の構造分析を行う。それをもとに家族教育プログラムを作成し,3名の家族介護者を対象としてプログラムを試行する。これは当初の計画通りA市において実施する。実施に当たりA市の市役所高齢者福祉課や地域包括支援センターの協力を求める。この施行後にプログラムの修正および精緻化を行い,コホート研究を実施する。研究の進捗状況によってはコホート研究を次年度に延期することを検討する。
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Causes of Carryover |
当初の予定では,今年度3名の家族介護者を対象とした介入研究を実施する予定であったが,アンケート調査の実施が倫理診査などを理由に遅れたため,介入研究が実施できなかった。そのため次年度使用額が生じた。この繰越金は次年度の介入研究を実施する際に使用する予定である。
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