2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a family care training program for enhancing abilities of daily activities and dignity for person with dementia
Project/Area Number |
17K12538
|
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
西田 征治 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (90382382)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 真寛 京都大学, 医学研究科, 助教 (00732182)
佐藤 葉子 (山西葉子) 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (30423627) [Withdrawn]
藤巻 康一郎 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (50324570)
三宅 由希子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (60433380)
上城 憲司 西九州大学, リハビリテーション学部, 教授 (90454941)
白井 はる奈 佛教大学, 保健医療技術学部, 准教授 (90346479)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 認知症 / 家族教育 / パーソンセンタードケア / 技能 / 介護意欲 / 活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去2年間で実施した研究1(インタビュー調査,アンケート調査)の結果をもとに暫定版の家族教育プログラムを作成し,3名の認知症の人を介護する家族を対象に試行した(研究2)。プログラムの実施にあたっては,研究協力機関の認知症デイケア施設や地域包括支援センターを通じてリクルートした。プログラムは週1回全8回で初回と最終回が評価セッションで,2回~7回が認知症の人介護するためのパーソンセンタードケア,介護技能,介護意欲に関することをグループでディスカッションしながら学び,各自当事者(認知症の人)が生き生きと健康に暮らすための課題(目標)を設定して宿題として取り組むものだった。プログラムを効果的に実施するためにワークブックを作成し,活用した。介入前後の成果指標の変化を平均値(標準偏差)でみると,Zarit介護負担感尺度は50.7から42.0に低下,介護肯定感尺度は31.7(4.0)から30.3(6.7)とほぼ変化なく,日本語版NPI(neuropsychiatric inventory)は13.1(11.4)から12.7(12.5)にわずかに低下,介護者の技能・知識・意欲スケール(オリジナル)は66.0から69.0にわずかに向上,カナダ作業遂行測定(COPM)の遂行度は2.3(1.2)から3.5(2.1)に,満足度は3.3(2.3)から4.3(2.3)にわずかに向上した。つまり,本教育プログラムにより,介護負担感が軽減し,介護者の技能・知識・意欲が向上し,認知症の人の活動の遂行度や満足度が向上する例があることが示唆された。今後は,これらの結果に加え,フィールドノートを質的に分析して暫定版家族教育プログラムを精緻化し,新たな教育プログラムを作成して,準実験デザインによる効果検証に進みたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度に計画していた研究1(調査研究)ではインタビューやアンケートの対象者を追加したことや,研究協力機関の研究倫理委員会の承認に時間を要したことが理由で研究が2年目までずれこんだ。研究2(パイロット研究)では研究対象者を募るのに時間を要したこと,研究代表者の業務が多忙になったことが理由で当初予定していた2年目に終わらず,3年目の実施となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は期間を延長し研究3(介入研究)を行う。在宅の認知症の人を介護する家族を対象として,実験群は6名程度のグループを構成して,独自に作成したプログラム(週1回8週間)を提供し,その効果を介護負担感,介護肯定感,介護者の技能・知識・意欲,認知症の人の行動心理症状,日常活動の遂行度・満足度の側面から検討する。対照群は特に介入せず,前述の成果指標のみを測定する。対象者は,研究者らと協力関係にある医療機関や地域包括支援センター,市の高齢者福祉課を通じてリクルートする。実験群の教育プログラムは県立広島大学の三原キャンパスで実施する。新型コロナ感染症の拡大が治まり,教育プログラムが提供できる状況になり次第,研究対象者のリクルートを開始し,研究を推進する。研究対象者数は36名(実験群18名,対照群18名)を予定している。
|
Causes of Carryover |
研究3(介入研究)が今年度は実施できず,次年度に繰り越されたため,次年度使用額が生じた。研究費の主な使途としては,研究対象者(認知症の人を介護する家族介護者)に支払う研究協力の謝礼,家族教育プログラムの運営協力者(作業療法士)に支払う報酬と旅費,研究分担者と研究協力者に支払う会議旅費,統計解析ソフト(IBM SPSS Statistics Base)購入費, 論文翻訳・投稿料,日本作業療法学会の参加費と旅費,認知症ケア講習(オンライン,New Ways for Better Days)受講費,機器(パソコン)購入費,消耗品(ファイル等)購入費等を予定している。
|
Research Products
(1 results)