2017 Fiscal Year Research-status Report
通常学級に在籍する発達障がいのある小学生への健康支援プログラム開発
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17K12565
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 ゆり子 筑波大学, 医学医療系(名誉教授), 名誉教授 (90336660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 由美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30347372)
神尾 陽子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部, 部長 (00252445)
吉田 一子 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (70369130)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発達障がい / 健康支援スキル / 通常学級 / プログラム開発 / 養護教諭 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、通常学級に在籍する発達障がい(疑いも含む)のある小学生の健康課題に対応する養護教諭の健康支援プログラムの開発である。平成29年度は、通常学級における発達障がいのある小学生の実態、学校の支援体制及び養護教諭の健康支援の実態を把握するために、全国の公立小学校の養護教諭を対象に郵送法による質問紙調査を行った。全国の公立小学校のなかから1000校を無作為抽出し、平成29年10月に学校長宛に自記式質問紙を郵送し、学校長経由で養護教諭に質問紙を依頼した。養護教諭が個別に投函し回収された212を分析した。その結果、89.6%の小学校に発達障がいの診断を受けている児童が在籍し、疑いのある児童を含めると96.2%の小学校に在籍していた。発達障がいは個別性が高いため、個別の指導計画や教育支援計画を作成し実施するとされているが、当該学校の発達障がい(疑いを含む)児全員の個別指導計画を作成していた学校は65.3%・個別教育支援計画を作成していた学校は55.3%、地域との連携を図るための広域特別支援連携協議会を設置していた学校は52.8%であった。発達障がい児の人数が多い学校では、養護教諭は学外関係機関との連携が困難と感じていることから、学校全体で地域の関係機関との連携を深める方策の検討の必要性が示唆された。養護教諭が発達障がい児と関わるのは、保健室来室が最も多く、続いて教職員からの相談であった。発達障がいに関する研修は各自治体等で行われているため84.4%は発達障がいに関する何らかの研修は受講済であったが、7割はさらに研修を受講することを希望していた。その内容は具体的な支援についてが最も多く、全体の93.4%が希望していた。これらの結果からプログラムの内容を検討し概要を編成している。なお、調査結果は平成30年11月の国際学会で報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国の公立小学校のなかから無作為抽出した小学校に郵送法による調査を実施し当初予定していた情報を収集することができた。この調査結果から養護教諭の発達障がい児への健康支援スキル向上のためのプログラムの概要が立案されている。
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Strategy for Future Research Activity |
通常学級に在籍する発達障がいのある(疑いを含む)小学生を健康面から支援する養護教諭のスキルを向上するためにプログラムを編成し、参画型の研修会を実施し、プログラムを評価する。プログラムの評価は、研修会実施前と実施直後、3カ月後、6カ月後、1年後にアンケート調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
郵送法調査の回収率が下限であったため、郵送料が予定より減額したこと、あわせてデータ入力に要した日数が予定より短期間となり研究補助人件費が減額となり、次年度使用額が生じた。 平成30年度はプログラムに基づく研修会の講師への謝金、調査費用、データ入力のための人件費、報告のための学会参加費等に使用する計画である。
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