2018 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の親のメンタリング過程により構築する包括的ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
17K12567
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西嶋 真理子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50403803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 希望 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (40749800) [Withdrawn]
柴 珠実 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (60382397)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ペアレント・メンター / トリプルP / 発達障害児 / 家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的「トリプルPを修了したペアレント・メンター(以下メンター)が、診断後間もない発達障害児の親に対して継続的にメンタリングを実施し、その支援内容と経過について分析する。」「メンターやメンティへの面接やアンケート調査により、メンタリング過程のモニタリングと評価及びメンターへの還元を行い、メンタリングの質の査定及び保証を行う。」に即して実施した。具体的には、12回のメンター相談会の実施、児童発達支援センターに通所する児の親に対してメンターについてのニーズ調査の実施、メンター相談会に参加経験のあるメンターへのインタビュー、メンター養成とフォローアップ研修、ペアレントトレーニング等を行った。主な結果について以下に記す。 メンター相談会には、メンティ延べ51名、メンター延べ68名参加し、メンティ全員が相談会に参加して「大変良かった」あるいは「良かった」と回答し、自由記載においても心が軽くなった等多くの肯定的な感想が得られた。 ニーズ調査に関しては、困りごとがある親は、児の行動上が85.3%、児の生活面が93.1%、親自身が82.1%、その3領域すべてにある親は70.6%であった。メンターの名前すら知らなかった親が64.7%であったが、メンター活動の紹介文を添付した上でメンターへ相談希望があったのは82.4%、内容は園での生活・就学に関する悩みが多かった。機会があれば自身がメンターになる意志がある親は42.2%であった。メンターへの相談希望に関連する要因について、ロジスティック回帰分析の結果、「メンターとなり他の家族の相談にのる意志がある」「相談相手との人間関係が不安」が有意に関連した。メンターへの相談希望は将来メンターとなり他の親を支援したいと願うことと最も関連する一方で、メンターに相談する場合には相手との人間関係に不安を感じていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は当初予定した計画通り、5つの目標のうち2つに重点的に取り組むことができた。ペアレントトレーニングの介入やメンター相談会の実施、メンターやメンティー等への調査など、多くのデータを収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、計画通り、研究過程で信頼関係を深めてきた児童発達支援センターや行政の担当者、保護者会等と課題の共有をより一層深め、メンタリングによる支援内容の分析とメンタリングに関わった関係者や専門職へのグループインタビューを通じて、メンタリングの継続に必要なバックアップ体制について明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
今まで収集したデータの文字起こしや学会発表等について、2019年度に実施することが多くなったため、次年度使用額が生じました。研究計画に従い、当該年度の所要額と次年度使用額について、計画通り順調に使用する予定です。
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Research Products
(5 results)