2018 Fiscal Year Research-status Report
子育て期の家族エンパワメント尺度の開発と信頼性・妥当性の検討
Project/Area Number |
17K12594
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 美樹 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 講師(非常勤) (90749540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 仁子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (40125919)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エンパワメント / 家族 / 親 / 育児 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、幼児を持つ親の家族エンパワメント尺度(Family Empowerment Scale for Parents with infants、以下FES-P)を開発し、妥当性と信頼性を検討した。調査1と調査2からなり、調査1は幼児を持つ親の家族エンパワメント尺度の開発、調査2は再テスト法による尺度の再現性と安定性を検討する目的で行った。 調査1は、平成29年度に作成した60項目の質問項目(尺度原案)を用いて、全国の1~3歳児を持つ親800名(男性400名、女性400名)を対象にインターネットを用いた構成的調査を実施した。因子分析により、FES-Pは26項目、5つの下位因子「家族との関係性」、「育児の効力感」、「地域とのつながり」、「親役割達成感」、「サービスの認知と活用」からなることが確認された。共分散構造分析によるモデルの適合度は、χ2(df=580)=1495.08、p<.001、GFI=.878、AGFI=.852、CFI=.943、RMSEA=.044、AIC=1739.1であったことからも、適合度が良好であるといえ、一定程度の構成概念妥当性が確認された。外的基準との相関係数、Cronbach'sα係数の算出し、尺度の妥当性および信頼性を確認した。 調査2は、調査1とは別サンプルの200名(男性100名、女性100名)を対象にインターネットを用いた構成的調査を実施した。1回目と2回目のFES-P総得点および下位因子得点の級内相関係数を求め、再現性を検討した。級内相関係数は尺度全体ではr =.88(p<.001)、各因子ではr =.79~.84(p<.001)であった。 このような検討を通して、一定の妥当性・信頼性のあるFES-Pが開発された。今後の課題は、分析を追加し尺度開発に関する成果発表を行うことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、幼児を持つ親の家族エンパワメント尺度の開発と妥当性・信頼性の検証を当初の計画通りに進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、尺度の活用にあたって支援の必要性をアセスメントするためのカットオフ値の推定を目的とした調査を実施する。調査対象は乳幼児を持つ親とするため、乳幼児健診を実施する自治体、保育園、幼稚園、地域子育て支援拠点等に協力を行い、質問紙調査を計画する。また、学術雑誌への投稿と学会発表を行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度の予定費用はおおむね執行したが、若干の未使用額が生じた。未使用額については、31年度に予定している学術雑誌への投稿費用と学会発表への費用として使用する。また、質問紙調査を実施する際の調査補助者の人件費も必要である。よって、次年度使用額も含め、予定通りの遂行が見込まれる。
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