2021 Fiscal Year Research-status Report
地域医療システム構築を推進する保健所保健師のコア評価指標の開発および実証研究
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17K12608
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
成木 弘子 日本赤十字看護大学, さいたま看護学部, 教授 (30237622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 仁 目白大学, 看護学部, 准教授 (10512361)
堀井 聡子 富山県立大学, その他部局等, 研究員 (70617422) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域医療 / 連携 / 保健所 / 保健師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では地域医療システム構築における保健師のコア活動指標を具体化することを目的とし、以下の4点に取り組んでいくこととした。1)地域医療システム構築活動に関わっている都道府県の保健所保健師で「地域包括ケアシステム構築」に係わっている者に対し、半構造化インタビューを継続実施し、逐語禄を作成して評価指標項目を抽出する。2)上記1)の結果等を踏まえて、保健師の活動評価コア指標案を作成する。そのプロセスの中で数理統計の専門家の知見を交えて推敲する。3)上記の結果から活動のコア指標を用いての活動実態調査票を開発し、全国の都道府県型保健所の保健師の内、地域包括ケアケアシステム構築に関わる事業を担当している者に対し、本研究で開発した活動コア指標を用いた質問紙を作成し、活動状況を把握するとともに指標の評価を得る。4)上記3)の調査結果を保健所保健師の方に使っていただき、評価することを目指した。 しかし、令和元年度に年度当初には予想できなかった研究代表者の職場のマンパワーが研究の遂行に影響を与えるほどに急減した為に翌令和2年度に研究期間を延長した。ところが、令和2年度には想定外のcovid-19の感染が世界中に広がりパンデミックとなった。令和2年度には47都道府県の保健所統括保健師へのアンケート調査を予定していたが、保健所統括保健師はcovid-19感染症拡大防止の第1線としての役割を担っているために、アンケート調査の実施を控えざるを得なかった。令和2度は、それまでに行っているプレテストの結果を踏まえて本調査の調査票を完成し、発送先リストの準備、発送及び返信用封筒の印刷の準備を実施した。また、covid-19感染状況を把握しながら調査票の発送の時期を検討した。しかし、令和2年度も令和3年度もcovid-19感染症の拡大は予想以上であり、実際に調査票を配布し調査を実施するに至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
47都道府県の保健所統括保健師320名に対して地域包括ケアシステム構築に関する自記式質問紙調査を実施する為に「①調査票の完成、②発送準備(発送先リストの整理)、発送先住所ラベルの作成、発送用封筒および返信用封筒の作成準備」を実施した。しかし、covid-19感染拡大が世界中に広がるパンデミックという予想以上の感染拡大状況であり、調査を実施することによって調査対象である全国47都道府県の保健所統括保健師の負担を増やすことを危惧し、調査の実施を延期せざるを得なかったためである。 また、研究代表者が所属機関にてcovid-19感染拡大対策の主要メンバーとして活動した為に、研究に取り組む十分な時間を確保することが難しい状況が発生した。そのためにこれまでの研究結果を整理して学会発表することができない状況であったためでもある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は地域医療システム構築における保健師のコア活動指標の開発を完成させる為に以下の2点に取り組んでいく。 1)当初の倫理審査の承認期間が過ぎているために再度倫理審査を受ける準備を行う。2)地域医療システム構築における保健所保健師の関与に関する調査票を用いて全国の47都道府県の約320か所の保健所における保健師に対して、自記式、質問紙調査を郵送で実施し、活動状況を把握するとともに指標の評価を得る。 3)前記2)の調査結果を踏まえて評価票を完成させ現場の保健所保健師の方にヒアリングをして有効性を確認する。
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Causes of Carryover |
令和3年度当初には予想できなかったほど、令和3年度のcovid-19のパンデミックの状況が悪化し、第5波、第6波となって押し寄せた。47都道府県の保健所は第1線で感染症拡大防止に取り組むことになり、今回の調査対象者である保健所統括保健師は、保健所における対策のリーダーとして多忙を極める状況に陥った。保健所業務以外の本研究での調査などを依頼できる状況ではなかった。その為に令和3年度に予定していた調査の実施を中止せざるをえなかった。また、研究代表者は所属機関のcovid-19感染拡大防止対策の中心的なメンバーの一人として業務が多忙を極め、研究の時間を十分に確保することも困難な状況であった。 令和4年度の使用計画としては、残されているアンケート調査をcovid-19の感染状況を見極めながら保健所統括保健師への負担が最小限になるよう努めながら実施する予定である。
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