2017 Fiscal Year Research-status Report
Construction of personal information provision system for support group after a disaster
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17K12627
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山崎 栄一 関西大学, 社会安全学部, 教授 (00352360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立木 茂雄 同志社大学, 社会学部, 教授 (90188269)
田並 尚恵 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (90351957)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自然災害 / 被災者支援 / 個人情報 / 災害法 / 要配慮者 / 広域避難者 / 支援団体 / 行政機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、災害時要配慮者等に関する個人情報の情報提供をどのような法的根拠に基づいて正当化すればよいのかについて、災害対策基本法の該当条文(具体的には避難行動要支援者名簿・被災者台帳)の分析を行うとともに、災害時要配慮者等の情報は各自治体が有していることから、各自治体の個人情報保護条例の調査・分析を行った。 行政機関ならびに支援団体への調査活動としては、以下のような活動を行っている。 2017年6月28日(水)13時30分より、滋賀県危機管理センターにおいて、滋賀県地震防災プランのワークショップを開催した。そこで、自治体職員を交えながら、災害後における被災者支援のあり方ならびに個人情報保護に関する課題の抽出をはかった。2017年9月8日(金)~10日(日)および2018年3月12日(月)~15日(木)に東日本大震災被災地に調査を行った。 2018年3月10日(土)13時00分より、同志社大学新町キャンパスにおいて、本科研の進捗状況を確認するために研究会議を開催した。研究代表者・分担者それぞれの進捗状況を確認するとともに、研究プロジェクト開始段階では見えてこなかった問題構造・課題について議論を行うことができた。具体的には以下の2点である。 第一に、本研究プロジェクトにおいて支援すべき対象としては、災害時要配慮者ならびに広域避難者をあげていたが、調査活動の結果、在宅被災者という新しい被災者カテゴリーが出現しているということが明らかとなった。かつ、在宅被災者が被災者として十分に認識されていないため、支援団体自体も十分な支援活動ができないという問題が明らかとなった。 第二に、本研究プロジェクトにおいては、平常時において行政機関が有している個人情報の共有を念頭においている、災害後において、災害時要配慮者等の所在情報をどのように入手するのかという課題が出てきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個人情報保護法制や被災者支援法制についての文献研究ならびに実態調査はおおむね順調に進んでいる。 災害後における支援団体への個人情報提供にかかる実態調査については、単なる成功・失敗事例の調査にとどまらず、本研究プロジェクトの開始段階では見えてこなかった問題構造・課題を発見することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
関連法制の研究ならびに実態調査であるが、新たな問題構造・課題を加味した上で、研究ならびに調査を進めていきたい。 2017年度に実施をした関連法制の研究成果を2018年度には自治体職員向けの実務本という形で公表することを目指す。 実態調査先であるが、熊本地震被災地に調査を行う予定である。調査内容は、具体的には、熊本地震において障害者がどのような形・手法で所在が把握されていたのか、どのような支援団体がどのような支援活動を展開したのかを調査する。
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Causes of Carryover |
予定していたパソコン・事務用品等の購入ならびに調査の実施を次年度に延期をした。次年度においては、予定通りの購入ならびに調査の実施を行う。
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Research Products
(7 results)