2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research and development mechanism of environmental protection technology
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17K12858
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 秀道 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (20731764)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イノベーション / 生産性 / 特許 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究活動では、初年度に構築したデータベースの利活用を行い研究論文執筆を中心に進めている。本年度の研究実施状況とその成果を下記3点にまとめる。 1.経済協力開発機構において用いられている環境保全技術の評価方法について取り上げるとともに,環境保全技術の開発と普及のそれぞれの段階について代表的な論文に加えて最新の研究を紹介することで,特許情報の有用性の説明を行った。本研究成果は「情報の科学と技術」誌に掲載された。 2. アジア各国のイノベーションの評価を生産性指標を活用することで分析し、その傾向の違いについてグリーンボンドや環境政策など、各国の取り組みを考察することで明らかにした。特に中国における生産性の向上が目覚ましい一方で、日本の生産性向上は限定的である。この点について、特許データを活用したイノベーション活動の評価や、研究開発への資金供給として注目を集めているグリーンボンドへの取り組み、さらにはESG投資の活性度など、様々な視点からイノベーションを生み出すための環境や制度の比較を実施している。研究成果は国際雑誌であるAsian Economic Policy Reviewで査読付論文として公表している。 3. 産業連関表を活用したサプライチェーン寸断が及ぼす経済波及効果の分析を行った。本論文では災害が発生した際に、サプライチェーンが寸断されることで、どれだけの経済損失が発生するかを、産業連関分析を発展させることで明らかにすることが可能なモデルの構築を行っている。本研究では事例研究として日本の東日本大震災や阪神大震災によって発生したサプライチェーンの寸断が、日本経済に与えた経済的損失の推計を実施している。本モデルは、新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーン寸断の効果も分析可能であり、幅広い適用可能性を有している。
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Research Products
(12 results)