2017 Fiscal Year Research-status Report
臨床の場で行われている経腸栄養剤の半固形化法の問題解析と標準化法の提案
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17K12907
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
隅田 有公子 高知県立大学, 健康栄養学部, 助教 (70781897)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経腸栄養剤 / 半固形化 |
Outline of Annual Research Achievements |
経腸栄養の管理上の問題点として、胃食道逆流、瘻孔部からの栄養剤リーク等があり、これらは、誤嚥性肺炎や瘻孔周囲皮膚炎の悪化を引き起こす。それらの対策として、経腸栄養剤の増粘もしくは半固形化による一定の防止効果が報告されている。しかし、増粘・ゲル化調整食品と経腸栄養剤は多数存在し、その組み合わせにより粘性が決定するため、厳密な取り扱いが必要である。 本研究では、粘度、かたさ、凝集性、付着性の物性評価を行い、経腸栄養剤の増粘・ゲル化調整食品を用いた半固形化の検討を行う。 経腸栄養剤17種類および増粘・ゲル化調整食品6種類(デンプン系1種、グァーガム系1種、キサンタンガム系4種)を用いて、経腸栄養剤の半固形化を行い、半固形化の特性比較を行った。 初年度の研究により、①経腸栄養剤の種類および増粘・ゲル化調整食品の種類により、粘度、TI値、かたさ、凝集性、付着性に有意な差がみられた(p<0.01)、②粘度、TI値、かたさ、凝集性、付着性の値に対して、経腸栄養剤と増粘・ゲル化調整食品の種類に相互作用がみられた、③粘度とかたさに正の相関があった(p<0.01)、④かたさと付着性に正の相関があった(p<0.01)、⑤他の増粘・ゲル化調整食品と比較し、グァーガム系増粘・ゲル化調整食品による半固形化では、経腸栄養剤の粘度は有意に高く(p<0.05)、特にグァーガム系増粘・ゲル化調整食品と成分栄養剤、消化態栄養剤の組み合わせで粘度は高くなった、⑥キサンタンガム系増粘・ゲル化調整食品による半固形化では、粘度は経腸栄養剤に含まれるミネラル量(Na、K、Ca、Mg、P)と相関がみられた(p<0.01)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
物性の正確な判定のための、環境調整(温度、経過時間等)に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は得られた結果をもとにin vitro実験による更なる検討を行っていく。その後、in vivo実験を行い、経腸栄養剤を半固形化することによる消化管移動速度や消化管吸収等への影響を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
研究遅延による、実験使用物品費の減少等によって生じている。 今後、研究を遂行するにあたり必要となる。 次年度の予算に組み込み、次年度の経費と共に満額使用する予定である。
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