2019 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中片麻痺上肢に対するアームロボットを用いた反復運動練習の効果検証
Project/Area Number |
17K13099
|
Research Institution | Sendai Seiyo Gakuin College |
Principal Investigator |
齋藤 佑樹 仙台青葉学院短期大学, リハビリテーション学科, 教授(移行) (30792048)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ロボットリハビリテーション / 再現性の検証 / 安全性の検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,上肢に運動麻痺を呈した脳卒中患者に対して,作業療法士・理学療法士等,セラピストが行う徒手的な運動療法手技を記憶して再現するロボット(Dicephalus:以下Dic,特願 2016039661)の訓練効果の検証を行うものである.本研究にてDicの有効性が明らかになれば,単純な反復運動を主体とした徒手的な練習はDicを用いた自主トレーニングに移行し,セラピストが介入する時間はより高度な技術を要する練習や,反復運動以外の要素が重要となる練習に時間を割くことができる.つまり患者に対する充分な練習量の提供や訓練の効率化,医療費の削減等が期待できる.H29年度は,まず健常者を対象に安全性および再現性の検証に取り組んだ.方法は,10名の健常者に対し,作業療法士が肩関節・ 肘関節の複合運動を主体とした徒手的運動を30秒間に10回実施.その動きをDicが記憶し,10 回×10セット再生.どの程度最初に作業療法士が実施した運動を再現できるかを記録・解析するものである.H30年度は, H29年度に引き続き,健常者による安全性・再現性の検証を実施.全期間を通して,Dicの誤作動等は一度も見られず,また緊急停止用に作成したスイッチは,複数回のテストにて正常に動作しているとともに,セラピスト・患者の両者が簡単に操作可能であるため安全性に問題はなかった.また,Dicの出力する運動についても高い再現性を認めた.この検証結果については,2018年10月に開催された日本作業療法研究学会にて発表を実施.現在,Journal of Ergonomic Technology に論文を投稿中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまで臨床試験にむけ多施設と交渉を重ねてきたが,Dicに搭載したアクチュエーターが工業用であり,医療機器に承認されていない物であるという理由に試験の実施が困難になったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
Dicを構成するアクチュエーターが医療機器として承認されていないことを理由に,臨床試験を行うことが困難になった.したがって,現在投稿中の,健常者を対象としたDicの再現性の検証をまとめた論文をもって,本研究を終了とする.また,現在のパーツでは臨床試験を実施できないため,今後の改良に向け,健常者を対象としたデータ集積を重ね,再現性および安全性を高めていく予定である.
|
Causes of Carryover |
当該年度に執筆中であった論文の英文校正料および投稿・掲載料が発生する可能性があるため.
|