2022 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of the coach athlete relationship on athletes exercise competence in sports coaching settings
Project/Area Number |
17K13117
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
安部 久貴 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40634556)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 指導者 / フィードバック / 信頼関係 / サッカー |
Outline of Annual Research Achievements |
部活動の地域以降が進められている昨今、2013年に作成された運動部活動でのガイドラインでは、生徒の意欲や自主性を促すための効果的な指導法として指導者と学習者の間のコミュニケーションの充実が挙げられている。しかしながら、効果的な指導に必要なコミュニケーション能力の未熟さが課題として指摘されている。 そこで本研究では、学習者と指導者の関係性と学習者の認知する指導者からの言葉がけの関連性について検討した。その結果、指導者とより親密で深く関わっていると認識している学習者の方が、指導者からより多くの称賛を受けていると認識していることが明らかになった。また、指導者に対して好意を持ち、情緒的な親密さを強く認識しており、指導者からの指導に対して全力で応えようとする協力的な相補性が高い学習者の方が、指導者から無視されることなく称賛を受けており、叱責を受ける頻度が低いと認識していることが明らかになった。 加えて本研究では、指導者の言葉がけが、学習者と指導者の関係性を介して学習者の運動有能感に与える影響について検討した。その結果、言葉がけのうち叱責を受けていると認識している学習者ほど、サッカーに関する自身の能力を低く評価する可能性があることが明らかになった。 以上より、指導者との関係が良好な学習者ほど、サッカーに関する自己能力評価に悪影響を与え得る指導者からの叱責を受けることが少ないことから、指導者の言葉がけが学習者と指導者の関係性を介して、学習者の運動有能感に影響を与えている可能性が示唆された。
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