2018 Fiscal Year Research-status Report
習慣的な糖質摂取量の違いが運動後の筋グリコーゲン回復の個人差に及ぼす影響
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17K13204
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
塩瀬 圭佑 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (70708106)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 筋グリコーゲン / 食事習慣 / 血糖値変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、習慣的な糖質摂取量の多寡が糖取り込み能と筋グリコーゲン回復に及ぼす影響を明らかにすることである。本年度は、習慣的な糖質摂取量の違いが糖質摂取後の糖代謝反応に及ぼす影響について検討を行った。 本研究では若年男性を対象に食事調査を行い、糖質摂取量の中央値を基準に習慣的な糖質摂取量が多い群(H-CHO)と少ない群(L-CHO)に分けた。各群における75gブドウ糖経口糖負荷試験に対する応答をみると、血糖値の変化に群間差はなかったものの、L-CHOでは糖負荷後のインスリン濃度がH-CHOに比べ有意に高値を示した (P < 0.05)。さらに、持続血糖測定システムとヒューマンカロリーメータを用いて、体重当たり一定量(8g/kg/日)の糖質を含む高糖質食を摂取した際の24時間代謝応答を調査した。その結果、L-CHOでは日中における糖燃焼率が僅かに低く(P < 0.05)、睡眠時における血糖高値が認められた(P < 0.05)。これらのことは、習慣的な糖質摂取量の低値は、高糖質食摂取時の糖吸収、燃焼率の低下と関連する可能性を示す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画のとおり習慣的な糖質摂取量の違いが糖質摂取後の代謝反応に及ぼす影響について検討を行うことができた。その結果、習慣的な糖質摂取量によって血糖値変動や糖燃焼反応に違いがあることを明らかにした。本研究の結果は、現在国際学術雑誌投稿に向けて準備を進めている。これらの点を踏まえ、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、習慣的な糖質摂取量の多寡によって糖質摂取時の血糖値変動や糖燃焼率に差が生じることが示唆された。昨年度の研究により、習慣的な糖質摂取量の多寡が運動後24時間における回復動態に影響を与える傾向が窺えたものの、24時間後以降の回復・超回復局面において与える影響は不明である。 そこで、次年度は習慣的な糖質摂取量の多寡がグリコーゲン超回復速度に及ぼす影響を調査する予定である。また、習慣的な糖質摂取量との差分を基に運動後の糖質摂取量を決定した場合、筋グリコーゲン回復の個人差が軽減するかを検証する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度では、予定していた国際学会への参加を見送ったため、使用予定額を若干下回った。当予算分は次年度における研究実施のため、消耗品等の購入や旅費として使用する予定である。
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