2017 Fiscal Year Research-status Report
Creating and verifying the effect of a mental health education program focusing on self-monitoring and help-seeking
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17K13208
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
金田 渉 帝京大学, 医学部, 助教 (30778353)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学校保健 / 思春期 / メンタルヘルス / 精神保健 / 精神医学 / アウトリーチ / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
学術面での業績は以下4点である。①論文発表:セルフモニタリングと援助希求の重要性、学校現場における精神保健教育の重要性を、文献レビューおよび申請者らの学校アウトリーチ経験を元にまとめ、発表した(金田と小池、医学のあゆみ vol.261、2017)。②学術集会の開催:新学術領域主体価値(代表:笠井清登)が主催する国際ワークショップ内で、思春期・学校保健ポスターセッション(計17演題)を共催した(http://value.frontier-c.com/activity.html)。第110回東京精神医学会内にて、口頭発表3演題のからなる学校精神保健セッションを提案し、採択された。③学術発表:上記2集会に加えて、国内最大の精神医学学会である日本精神神経学会学術集会において口頭発表を行った。④分担執筆:高校保健体育の教授用参考資料を分担執筆した(大修館書店「現代高等保健体育改訂版・教授用参考資料」)。 実施面(学校へのアウトリーチ)での業績は以下の2点である。⑤学校現場での教育:教諭向け精神保健研修会を3回実施した(江戸川高校定時制)。また、セルフモニタリング・援助希求の重要性についての生徒向け教育プログラムのドラフト版を考案し、「こころの健康教育」のパイロット・スタディを行った(同校:全校生徒160名)。⑥学校精神保健と臨床精神医学との連携:都立高校へ計8回の訪問を行い、精神保健相談および個別ケース検討会を行った。この活動のなかで、精神的不調・希死念慮がピックアップされ入院加療につながったケースが1件、他精神科受療につながったケースが3例あり、研究活動の社会還元として意義があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では想定していなかったにも関わらず、学会発表(国内3件)・論文発表(和文1件)を行うことができ、また学校現場に提供する教科書執筆にも携わることができた。さらに、学術集会を開催したことで、多くの中学や高校の一般/養護教諭、児童思春期精神科医、精神健康疫学者などと多様な情報交換を行うことができた。 計画通りに進展したこととしては、以上の研究・実践活動を通じて、「こころの健康教育プログラム」のドラフト版を作成し、生徒(160名)にも実施できた。次年度以降のプログラム実施についても、実施可能な対象校を見つけることができた。また、学校で精神的危機にある生徒をピックアップして、精神科医療につなげる実践もできた。 以上から、研究は当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」欄の⑤⑥に記した学校保健活動(教育プログラムの開発・教員研修・生徒への実施)を継続する。特に、生徒向け教育プログラムは冊子/教材の形式にまとめる予定である。この際には、中学校保健体育副読本「悩みは、がまんするしかないのかな?」の編集委員会(http://psycience.com/)と連携する。すなわち、中学生向け教材作成のノウハウを吸収しつつ、高校生に対して適切なプログラムとなるように工夫する。 平成29年度に実施したプログラムは現場での評価も高く、平成30年度には学年別の個別実施へと回数を拡大する。学校のみで行えるプログラムとなることが目的なので、一般教諭との協力体制を敷いて、少人数グループワーク方式で実施する予定である。
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Causes of Carryover |
教材編集に用いるソフトウェアを、申請者の所属機関が別予算枠で購入したため、それを共同利用することができるようになった。そのため、計上していたソフトウェア予算枠に余剰が生じ、次年度使用額とした。平成30年度には、学会参加での情報交換のために、発生した次年度使用額を使用する予定である。
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Remarks |
申請者が共催した国際研究集会(上述の【科研費を使用して開催した国際研究集会】に記載)の活動報告である。
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