2018 Fiscal Year Research-status Report
Creating and verifying the effect of a mental health education program focusing on self-monitoring and help-seeking
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17K13208
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
金田 渉 帝京大学, 医学部, 助教 (30778353)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学校保健 / 思春期 / メンタルヘルス / 精神保健 / 精神医学 / アウトリーチ / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
学術面での業績は以下2点である。①学術発表:International Symposium on Adolescent Health and Personalized Value(2018年11月18日:東京大学)において、学校精神保健のあり方および教育プログラム活動についての研究成果を報告した。本発表においては、パーソナル・リカバリー研究の国際的指導者であるMike Slade教授(University of Nottingham)からのスーパーバイズを受けた。②教育プログラム資料の作成:高校養護教諭・精神保健福祉士・NPO法人Light Ring.代表 石井彩花氏・大正大学 髙瀨顕功氏・東京大学 笠井清登教授など、多職種による編集委員会を立ち上げ、高校保健体育の授業で用いることのできる副読本「うつむいているあの子のことが、このごろ少し気になる」を編纂した。本冊子の作成にあたっては、文部科学省課題解決型高度医療人材育成プログラム「職域・地域架橋型―価値に基づく支援者育成」と共同した。作成した冊子はweb上に一般公開した(下記URLを参照)。 実施面(学校へのアウトリーチ)での業績は以下の2点である。③学校現場での啓発:教諭向け精神保健研修会を3回実施した。また、セルフモニタリング・援助希求の重要性についての生徒向け教育プログラムのドラフト版を用い、「こころの健康教育」のパイロット・スタディを行った。④学校精神保健と臨床精神医学との連携:都立高校へ計6回の訪問を行い、精神保健相談および個別ケース検討会を行った。この活動のなかで、精神的不調・希死念慮が発見され、精神科受療につながったケースが2例あり、研究活動の社会還元として意義があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学術集会で定期的に研究成果を発表しつつ、リカバリー研究の国際的指導者であるMike Slade教授や、思春期学の本邦における牽引者である東京大学の笠井清登教授から、スーパーバイズを受けることができた。「こころの健康教育プログラム」を実際に授業で用いるための副読本である「うつむいているあの子のことが、このごろ少し気になる」を完成させることができた。学校現場では、生徒や教諭らにプログラムを紹介し、実施できた。学校で精神的危機にある生徒をピックアップして、精神科医療につなげる実践もできた。 以上から、研究はおおむね順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に作成した生徒向け教育プログラム冊子を用いて、実際に授業を展開する。これまでにドラフト版として実施してきたプログラムは現場での評価も高く、継続して授業を行うことが約束されている。また、授業前後で生徒/教諭への質問紙を実施し、セルフモニタリングや援助希求の知識・態度・行動がどのように変化するかを解析する。
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Causes of Carryover |
2018年8月に海外学会への参加・発表を計画していたが(韓国)、MARS流行のために学会が中止となった。そのために予算に残余が生じた。次年度以降はデータ取得後に統計解析を行うため、統計解析ソフトを購入することで調製をつける予定である。
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