2019 Fiscal Year Research-status Report
Creating and verifying the effect of a mental health education program focusing on self-monitoring and help-seeking
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17K13208
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
金田 渉 帝京大学, 医学部, 助教 (30778353)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学校保健 / 思春期 / メンタルヘルス / 精神保健 / 精神医学 / アウトリーチ / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
学術面での実績は以下2点である。①原稿執筆:中山書店「講座 精神疾患の臨床 第2巻 統合失調症」に、本研究で得られた知見を盛り込みつつ『学校精神保健』というタイトルの寄稿を行った(2020年春発刊予定)。雑誌「こころの科学」2020年2月号に「当事者とともに治療をつくり、回復をめざすための工夫」という題で、学校精神保健上の重要な達成項目であるリカバリーについての寄稿を行った。②効果実証(実施できず):2018年度に完成させた高校生向け教材「うつむいているあの子のことが、このごろ少し気になる」を用いて、2019年度末に、都内2校200人程度を対象に授業を実施する予定であった。このとき、セルフモニタリング・援助希求を中心に質問紙調査を行い、効果実証を行う予定であった。しかし、COVID-19の影響から休校措置がとられて実現しなかった。 実施面(社会へのアウトリーチ)での業績は以下の3点である。①教育プログラム資料の配布:作成した冊子上記教材をweb上に一般公開した(下記URLを参照)。また、冊子体3,600部を高校生や教育関係者に配布した。②研修会:高校教諭向けに、本研究のテーマであるセルフモニタリング・援助希求、さらには精神的不調からのリカバリーを主題とした精神保健研修会を、計3回実施した。一般市民向けの同テーマの講演会も1回実施した(2019年10月11日、荒川区)。③学校精神保健と臨床精神医学との連携:都立高校へ計7回の訪問を行い、精神保健相談および個別ケース検討会を行った。この活動のなかで、精神的不調が発見され精神科受療につながったケースが2例あり、研究活動の社会還元として意義があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度に作成した教材「うつむいているあの子のことが、このごろ少し気になる」を用いて、実際の授業、さらに効果検証(直後・6ヶ月後)を実施する予定であったが、昨今のCOVID-19の影響から実施ができなかった。この点で予定から遅れた進捗となった。 しかしながら、学校現場で生徒や教諭らにプログラムを紹介することはできた。学校で精神的危機にある生徒をピックアップして、精神科医療につなげる実践もできた。本研究で得られた知見を書籍や講演会のかたちでフィードバックすることもできた。 以上を総合し、研究進捗は「やや遅れている」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり2019年度に実施が叶わなかった、生徒向け教育プログラム冊子を用いた授業を展開する。これまでにドラフト版として実施してきたプログラムは現場での評価も高く、2020年度の授業実施が約束されている。同時に授業前後で生徒/教諭への質問紙を実施し、セルフモニタリングや援助希求の知識・態度・行動がどのように変化するかを解析する。
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Causes of Carryover |
COVD-19の影響を受け、2月・3月のスタッフ勤務日数が減少したため、人権費に残額が生じた。
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