2022 Fiscal Year Research-status Report
Creating and verifying the effect of a mental health education program focusing on self-monitoring and help-seeking
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17K13208
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
金田 渉 帝京大学, 医学部, 助教 (30778353)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学校保健 / 思春期 / メンタルヘルス / 精神保健 / 精神医学 / アウトリーチ / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
A:論文・原稿執筆 「精神医学」誌に、本研究で得られた知見を盛り込み論文をを執筆した(「精神医学」2022年9月号)。思春期の精神的健康に関する大規模コホートである東京ティーンコホートと共同し、査読付き論文7報を発表した(共同著者)。これにより、思春期の精神的健康の発達に関する知見を幅広く得ることができた。昨今注目を集めるヤングケアラーについて、ヤングケアラー尺度の日本語版を作成し、発表した(共同著者、Kanehara et al., PCN report, 2023)。 B:副読本教材作成 当研究の成果物として作成した高校生向け教材「うつむいているあの子のことが、このごろ少し気になる」の内容を含む、授業用PowerPointスライド及び教授用資料を作成し、一般公開した。 C:2022年7月に、神奈川件内の私立高校で、高校1年生170名程度を対象に、パイロット授業を実施した。同授業においては、セルフモニタリング・援助希求を含む質問紙調査を事前/事後に実施した(結果は解析中)。 D:アウトリーチ 高校教諭向けに、Bの教材使用に関する精神保健研修会を3回実施した。また、学校精神保健と臨床精神医学との連携として、都立高校へ計8回の訪問を行い、職員研修会、精神保健相談および個別ケース検討会を行った。この活動により、精神的不調が発見さ れ精神科受療につながったケースが2例あり、研究活動の社会還元として意義があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度に作成した教材「うつむいているあの子のことが、このごろ少し気になる」を用いて、実際の授業、さらに効果検証(事前・事後のアンケート調査)を進めてきたた。しかし、新型コロナウィルス禍の影響から、実施が延期されることがくり返され、2021年に300名を、2022年に170名を対象に授業を実施する ことができた。2023年度に授業・アンケートを実施して進展を巻き返す必要がある(合計1000名を予定)。 一方で、学校現場で生徒や教諭らにプログラムを紹介することは進んでおり、2022年度からの新学習指導要領にも対応した、授業教材を作成した。また、学校で精神的危機に ある生徒をピックアップして、精神科医療につなげる実践もできた。本研究で得られた知見を、論文や研修会としてフィードバックすることもできた。ヤングケアラー尺度日本語版を作成した。以上を総合し、研究進捗は「やや遅れている」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までに十分な実施が叶わなかった、生徒向け教育プログラム授業を展開し効果実証を行う。これまでに授業実施(500名程度)は行えており、研究計画に基づき1,000名程度への実施を、各校に交渉中である。授業前後では生徒/教諭への質問紙を実施し、セルフモニタリングや援助希求の知識・態度・行動がどのように変化するかを解析し、学術発表を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において調査計画が遅延し、アンケート調査実施に用いるための費用が支出されなかった。
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