2018 Fiscal Year Research-status Report
自然会話の特徴への気づきに効果的な提示方法に関する研究
Project/Area Number |
17K13482
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関崎 博紀 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30512850)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 気づき / 注意 / 自然会話 / 日本語教育 / ビデオ / 文字化資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本語教育の現場で、日本語による「自然な」会話を教材として利用する際の、学習者の日本語力に応じた適切な提示方法を解明することである。特に、習得の初期段階で発生する「気づき」に焦点を当て、提示方法とレベルによる気づきの内容の異同を明らかにする。平成30年度は、a)データ収集、b)分析、c)研究成果発表を行った。まず、a)データ収集を行った。平成29年度に収集したデータを充実させるべく、ゼロ初級、初級後半、中級、上級の各レベルの学習者に協力を仰いだ。その結果、13名から協力を得ることができた。次に、b)データ分析の結果、多様な事柄について気づかせるのに効果的な方法は、会話にみられる特定の事柄に注意を向けさせることであることが明らかになった。文字化資料は、文法や語彙に関する気づきに効果的であった。その内容を質的に分析すると、理解確認が行われることが多いと分かった。そのため、文字化資料は、特定の事柄に注意を向けさせた後に用いる方が、より多くの気づきを与えることが明らかになった。他方、何の指示もせずに会話のビデオを見せるだけだと、レベルを問わず、語彙と話題の理解を志向することが明らかになった。また、提示方法にかかる順序効果は認められないことが分かった。この結果について、筑波大学日本語・日本事情遠隔教育拠点シンポジウム2019『未来志向の日本語教育』(2019年2月、於:筑波大学)にてc)研究成果発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
収集したデータの中に、結果に影響する条件が他と異なるものが複数見られた。本研究目的をより精緻に達成するべく、追加調査を実施する時間を確保する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究をより精緻に達成するためのデータ収集に注力する。そして、分析結果は、成果発表および論文投稿、報告書作成などを通じて社会に公開する。
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Causes of Carryover |
データ精緻化の必要性が生じたことに加え、報告書作成に至らなかったため、次年度使用額が生じた。次年度の研究の精緻化、および、成果公開、報告書作成に使用する予定である。
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