2022 Fiscal Year Research-status Report
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17K13665
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
一家 綱邦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究支援センター, 部長 (50453981)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医事法 / 研究倫理 / 再生医療 / 研究倫理指針 |
Outline of Annual Research Achievements |
本来は、研究活動の最終年度にあたり、総括的な成果発表を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行/感染拡大の影響を受けて、そうした活動を行う見通しを立てられない状況が続いた。しかしながら、研究自体は前年度の活動を継続・発展させることによって、以下に挙げるように複数の成果に繋げることができた。 第一には、臨床研究ではなく自由診療で実施される再生医療の実態を明らかにした研究論文を国際的な再生医学の専門誌に発表した。同論文は、複数の日本のマスメディアにも取り上げられて、大きな反響があった。また、同じ問題意識を持って、日本医事法学会の研究大会においてワークショップを開催し、医事法学の専門家との意見交換を行った。 第二には、先端的治療法の医学的適応性と医師の説明義務に関する地裁判決についての解説・評釈を医事法判例百選(第3版)に発表した。 第三には、研究倫理的規制について、医学研究機関等において講演・報告を行い、また、研究倫理指針の改正内容に関する情報発信を行い、研究倫理指針や法による規制の影響や問題点などについて研究現場の実情を踏まえて把握・検討することができた。 第四には、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 令和3年度研究開発推進ネットワーク事業に参画し、医学研究の成果を社会に発信するために必要なツールの開発に従事した。研究の規制のみならず、研究の発展についてもあわせて考えることのできる有意義な機会であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の流行の影響を受けたが、本研究のこれまでの成果を発展させる形で、複数の分野の医学研究と規制の関係やあり方について検討することができたため、概ね順調に進展している。なお、研究期間を1年延ばしたことは、再生医療法の改正動向や2022年度に改定された研究倫理指針の施行状況などをフォローするための期間として前向きに考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たるために、これまでの研究を総括する活動を行う。同時に、2022年度改定された研究倫理指針等の施行状況や、個人情報保護法や次世代医療基盤法の施行状況をフォローして、その内容について検討して発表する機会を持ちたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により予定していた研究発表等のための学会や研究会等への出張の機会が失われてしまったために、2022年度の使用計画に変更が生じた。2023年度においては、研究成果の発表の機会を学会発表等のみならず、英文研究論文の作成を予定しており、その翻訳作業費用などに充てる予定である。
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Research Products
(4 results)