2019 Fiscal Year Research-status Report
実践共同体における知識移転プロセスに関する理論的・経験的研究
| Project/Area Number |
17K13784
|
|---|
| Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
|---|
Principal Investigator |
小江 茂徳 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (20611635)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 職場における学習 / アイデンティティ |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度（平成31年度）の計画は、理論的研究については、これまで継続してきた文献サーベイに基づき、分析の枠組みを精緻化しながら、論文等でその成果を出すこと、また経験的研究については、調査の支援をしていただく企業や業界団体の資料収集を行い、調査設計を行うことであった。
研究実績としては、文献サーベイの成果として、実践共同体（CoPs）の成功要因に関する論文を公刊した。その論文においては、これまでの経営学においてはCoPsのマネジメントが注目されてきたが、その成功要因について、CoPsの状態、支援者の役割、組織からの支援の観点から、これまでの文献をレビューし整理している。また他の成果として、地方自治体の男性職員の育児休業取得によるアイデンティティの変化とそれによって生じた働き方の変化について、学会報告を行い、さらにこの成果については、令和３年度以降に著書の一部として公刊することが決まっている。
経験的調査については、予定していた研究協力企業に対する調査設計のみならず、フィールドワークも実施することができた。具体的には、製造現場における育児を担う女性限定の生産ラインの立ち上げを研究対象として、ヒアリング調査にご協力いただいた。この調査を通じて、先進的な生産ラインの立ち上げによる、職務への姿勢、職場の人間関係、子育て、キャリア展望、等の働き方や組織の変化について明らかにしている。本成果については、令和２年度に論文として公刊することを予定としている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度（平成31年度）の計画は、理論的研究については、これまで継続してきた文献サーベイに基づき、分析の枠組みを精緻化しながら、論文等でその成果を出すこと、また経験的研究については、調査の支援をしていただく企業や業界団体の資料収集を行い、調査設計を行うことであった。
当初の計画通り、研究成果については、論文の公刊と学会報告を行っており、順調に進んでいる。また経験的研究についても、当初は調査設計のみであったが、一部の調査を実施できていること、そしてその成果の一部についてはすでに論文の執筆を始めており、概ね計画通りに進捗している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
令和２年度は、理論的研究においては、これまで通り、CoPsに関する文献サーベイを続けていく。また経験的研究については、新型コロナウイルス感染症による非常事態宣言等から、フィールドワークや資料収集の為の移動の制約が既に出ており、さらに企業による調査協力にも調整の必要性が生まれる恐れがある。社会情勢を加味し、企業とも意思疎通を取りながら、可能な限り、計画通りに調査研究を進めたいと考えている。
|
| Causes of Carryover |
調査協力企業へのヒアリング調査の一部が延期となったので、その分の繰越として次年度使用額が生じた。この次年度使用額については、令和２年度に調査出張費等に充当する予定である。
|
