2021 Fiscal Year Annual Research Report
The Entry into the Host Labor Market Among International Students in Japan
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17K13850
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
眞住 優助 金沢大学, GS教育系, 講師 (50747582)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 留学生のキャリア / 移民研究 / 国際教育 / 国際社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はおもに、本プロジェクトにおいてこれまで蓄積したデータのうち、体系的な考察がいまだ不十分であった箇所に着目しつつ、調査データの整理と分析を実施した。より具体的には、留学生の学生時代の就労に焦点を当てて、学生としての労働市場への参入と、就労を介した留学生の非合法性の関係に関する考察を行った。分析を通じて、(1)留学生の多くは、日本における学習や就労経験等を通じて、ホスト国人的資本と呼べる、日本での生活にとって重要な知識やスキルを発展させていること、と同時に、(2)そうしたホスト国人的資本の蓄積が日本での生活適応を促すだけでなく、違法就労等を促進させる媒介となっていることを発見した。本年度は、この分析結果をまとめたものを学会で報告するとともに、それにもとづく論文の草稿を作り上げた。この考察を行うことで、本プロジェクトの全期間を通じて、外国人留学生の卒業後の日本の労働市場への編入だけでなく、学生時代における同労働市場への参入の過程を合わせて検討することができた。この作業を通じて、日本における留学生の労働市場への包摂とその様相を多角的な視点にから照射することができたと考える。ただし、本プロジェクトを通じて、日本における留学生の労働市場への参入は静的プロセスではなく、動態的に変化するものであることも判明した。具体的には、かつては日本での卒業後の就職率が相対的に低かったいくつかの南・東南アジア国籍の留学生が、より近年では高い日本での就職割合を示すことも明らかとなった。この要因の分析については、今後の課題としたい。
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Research Products
(5 results)