2017 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケアシステムにおける多職種連携の方法と効果に関する研究
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17K13882
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
河野 高志 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (50647237)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域包括ケアシステム / 多職種連携 / ケアマネジメント / インタープロフェッショナルワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は地域包括ケアシステムにおける多職種連携の方法を構築することを目的としているため、まず2017年度は地域包括ケアシステムにおける多職種連携の方法に関する構成要素の検討を行った(河野高志(2018)「地域包括ケアシステムにおけるケアマネジメントとインタープロフェッショナルワークの可能性」『福岡県立大学人間社会学部紀要』第26巻 第2号、福岡県立大学人間社会学部)。具体的には、地域包括ケアシステムに関する先行研究やモデル事業を見るかぎり、多職種連携や社会資源の活用に関する先駆的な成功事例の紹介にとどまっており、普遍的に応用できる方法論がまだ確立されていないことが明らかになった。そこで、多職種連携や社会資源の活用に関する方法として先行研究において一定の研究成果が確認されているケアマネジメントとインタープロフェッショナルワークに着目し、地域包括ケアシステムにおける多職種連携の方法論を検討していった。そして、ケアマネジメントがもつ①個別支援の機能、②システム改善の機能、③支援システムの運用機能、④アウトリーチ機能と、インタープロフェッショナルワークの特徴である①共通目標をもつこと、②専門職間で学び合うこと、③複数領域の専門職が協働すること、④利用者が参加・協働すること、⑤役割と機能を分担すること、を組み込んだ多職種連携の枠組みを提示した。 この成果をもとに、地域包括ケアシステムにおける多職種連携の現状と効果的な展開方法を明らかにするため、全国の地域包括支援センターの社会福祉士・主任介護支援専門員を対象にアンケート調査を実施した。この結果については現在集計中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、全国の地域包括支援センターを対象としたアンケート調査の集計・分析までを完了する予定であったが、研究代表者の勤務校による研究倫理審査に時間がかかったこととにより、調査の実施が3月までずれ込んだため、集計・分析を2017年度中に完了することができなかった。しかし、それ以外は当初の研究計画どおりに進められており、今後の研究にもそれほど大きな影響を与えないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査の集計・分析・考察を早めに行い、地域包括ケアシステムにおける多職種連携の効果的な進め方について結果を得ることを最優先に進めていく。また、この成果をもとに、具体的な連携方法やその効果測定の指標について示唆を得るため、ソーシャルワーカー数名に対してインタビュー調査や事例研究を実施していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
2017年度に実施したアンケート調査は、研究代表者の勤務校による研究倫理審査に想定以上の時間を要したため、回収を完了したのが2018年4月13日であった。そのため、回収データの入力に係るアルバイト代の執行が2017年度内にできなかった。次年度使用額が生じたのは、このアルバイト代のためである。そこで2018年度は、当初予定していた研究成果の公表やソーシャルワーカーへのインタビュー調査・事例研究の前に、アンケート調査の集計・分析・考察を行うために、アルバイトを雇用するつもりである。その後、学会やインタビュー調査等の出張旅費などを支出する予定にしている。
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Research Products
(1 results)