2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the Process of Forming Parents' Attitudes as a Condition of School Participation
Project/Area Number |
17K13979
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大日方 真史 三重大学, 教育学部, 准教授 (00712613)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 保護者参加 / 学校参加 / 共通関心 / 学級通信 / 私的関心 / 保護者間ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
教育の私事化状況における保護者の私的関心の排他性という学校参加論をめぐる問題に対して、研究代表者はこれまで、子どもたちに向けられる「共通関心」が保護者において形成される可能性と条件を明らかにしてきたが、本研究期間にはそれらをさらに発展させた。 期間全体を通じた研究成果として、まず、わが子の特性に困難を抱える保護者における「共通関心」形成の可能性と条件を明らかにした。さらに、そうした保護者において、わが子に向ける私的関心にも質的な変容が生じうることが明らかになった。また、保護者の有する社会的なネットワークが当の保護者の学校関与に影響を及ぼすという先行研究に基づき、保護者たちがネットワークを自発的に形成していく事例を対象に、保護者の有する困難や悩みとネットワークへのニーズの意義、ネットワーク形成過程において公的な性質が追求される可能性と課題を明らかにした。 本研究期間には、新型コロナウイルス感染拡大状況にあって保護者が学校を訪れて各種活動に参加する機会が制限されるという事態が生じた。このこともふまえ、これまでの研究においても対象にしてきた学級通信の意義をさらに追求した。最終年度には、すでに保護者対象のインタビューを通じて、当該学級通信を読んできた保護者において「共通関心」の形成が確認されている学級通信を対象に、そのテクストを量的にも質的に分析し、「共通関心」の形成を促す記述の特質を明らかにした。
|