2017 Fiscal Year Research-status Report
高等教育機関を対象としたマルチメディアDAISY図書製作・活用システムの構築
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17K14064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
楠 敬太 大阪大学, キャンパスライフ支援センター, 特任研究員(常勤) (70770296)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 図書のデジタルデータ化 / マルチメディアDAISY図書 / 高等教育 / 後期中等教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,障害のある学生支援を行っている国公立大学・私立大学を対象に図書のデジタルデータ化に関する調査から,その現状について明らかにすることを目的にしていた。しかし,調査質問紙を作成する上で,各大学等の概要的な実態調査が必要であるということが分かった。そこで,大学の図書館及び点字図書館に訪問し,図書のデジタルデータ化に関するインタビュー調査を行った。図書のデジタルデータ化に向けての現状及び今後の課題が明らかになった。 また,高等教育でマルチメディアDAISY図書を製作するシステムを整えるためには,実験的にでも,マルチメディアDAISY図書の製作活用を進めるべきだというのが,研究チームで挙がった。そこで,読み書きに困難のある学生1名に対して,マルチメディアDAISY図書を活用した。予想以上にでも,高等教育では,読みにくい図書や教材を使用していることが分かり,マルチメディアDAISY化することが,合理的配慮としても必要であるということが明確となった。 さらに,高等教育でマルチメディアDAISY図書を活用するためには,高等学校等の後期中等教育においても,マルチメディアDAISY図書活用の環境を整えることが望ましいと考えた。そこである1県に対して,「高等学校における学習面に課題を有する生徒に対するデジタル機器の活用に関する調査」を行った。結果として,マルチメディアDAISY図書があまり使用されていないことが分かった。この内容を,第55回特殊教育学会でポスター発表として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は,障害のある学生支援を行っている国公立大学・私立大学を対象に図書のデジタルデータ化に関する調査を考えていた。しかし,調査質問紙を作成する上で,各大学等の概要的な実態調査が必要であるということが分かった。そこで,平成29年度は,大学の図書館及び点字図書館に訪問し,図書のデジタルデータ化に関するインタビュー調査を行った。そのため,障害のある学生支援を行っている国公立大学・私立大学を対象に図書のデジタルデータ化に関する調査は実施することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,大学の図書館及び点字図書館に訪問し,図書のデジタルデータ化に関するインタビュー調査を行った。平成30年度は,後2,3校の大学図書館を訪問し,インタビュー調査を実施する。それの内容をまとめ,質問紙を作成し,国公立大学・私立大学を対象に図書のデジタルデータ化に関する調査を実施する。 また,読み書きに困難のある学生に対する,マルチメディアDAISY図書の活用も継続し,高等教育場面で活用する上での課題を明らかとする。
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