2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of glyco-modified chicken by gene substitution aiming to efficiently produce influenza vaccine
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17K14867
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金岡 英徳 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (30631973)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / CRISPR/Cas9 / 糖鎖改変 / インフルエンザワクチン / トランスジェニックニワトリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではCRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集技術により、ニワトリ始原生殖細胞(PGC)の糖転移酵素を改変し、ニワトリ本来のα2,3結合シアル酸からヒト型のα2,6結合シアル酸に置き換え、よりインフルエンザワクチンの生産に適した鶏卵を開発することを目的としている。初年度は、ニワトリPGCにゲノム編集を行うためのプラスミド構築と遺伝子導入法の検討を主に行った。 標的遺伝子に対するguideRNA (gRNA)を数種類設計し、ベクターを構築した。加えて、gRNAを転写するU6プロモーターをヒト由来のものとニワトリ由来のものをクローニングした。ニワトリ培養細胞(DF-1)及びヒト培養細胞(293FT)を用いて、これらのベクターを用いたsingle-strand annealing (SSA)アッセイを行い、より切断効率の高いgRNAとU6プロモーターの組み合わせをを決定することができた。 次にニワトリ培養PGCに遺伝子導入を行うため、いくつかの方法で条件検討を行った。その中でエレクトロポレーション法による遺伝子導入が最も導入効率が高く、且つ細胞生存率が高かったためこの方法を採用することとした。現在、これらの条件で実際にニワトリ培養PGCにCRISPR/Cas9ベクターを導入し、糖転移酵素遺伝子がゲノム編集された培養PGC株の樹立を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおり、ゲノム編集によるニワトリ始原生殖細胞(PGC)の糖転移酵素遺伝子の改変に必要なベクターの構築、guideRNA (gRNA)の評価を行い、効率の良いコンストラクトを選択できた。また、ニワトリPGCに遺伝子導入する際の条件を検討し、エレクトロポレーション法によりある程度の効率で遺伝子導入が可能であることを確認した。 さらに本研究で用いているニワトリ培養PGCから樹立した、eGFP発現PGC株を移植した生殖細胞キメラニワトリからG1トランスジェニックニワトリが高効率で取得できることがわかった。このことから本研究で用いるニワトリ培養PGCは精子への分化が可能である事が確認でき、本研究の目的である糖鎖改変トランスジェニックニワトリの作製の実現性が高まった。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の実験計画に基づいて、以下の検討項目課題を行う。 ・作製したベクターを用いてニワトリPGCの糖転移酵素遺伝子のゲノム編集を行い、PGC株を樹立する。 ・樹立したPGCの表現型の解析を行い、糖転移酵素改変の確認を行う。 ・樹立したPGCを移植し、生殖細胞キメラニワトリを作製する。 ・生殖キメラニワトリを交配して、G1トランスジェニックニワトリを作製する。
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