2018 Fiscal Year Annual Research Report
Anti-cancer effect of a variety of conjugated fatty acids
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17K15278
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
本間 太郎 帝京大学, 薬学部, 助教 (30707930)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 癌 / 共役脂肪酸 / 脂質 / 食品 / 生理活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、日本人の死因として最も多くの割合を占めているのは悪性新生物(癌)である。本研究では、癌予防が期待できる食品成分として、殺癌細胞効果を持つ共役脂肪酸に着目した。共役脂肪酸には共役二重結合の数や位置、さらには鎖長の違いなどから非常に多くの種類が存在しており、生理活性の強さもそれぞれ異なることが予想される。そこで、共役脂肪酸の構造の違いと殺癌細胞効果の強さの関係について詳細を明らかにするために、様々な天然物を対象に共役脂肪酸含有天然物のスクリーニングを行い、多様な構造の共役脂肪酸を入手することを試みた。平成29年度では、これまでに共役脂肪酸の含有が報告されていない約200種類の植物種子及び約20種類の海藻類を対象に脂質分析を行った。その結果、オミナエシ科に属するCentranthus ruberとValeriana officinalisの種子油中に共役リノレン酸(CLN)が含まれていることを発見し、また、これらのCLNの大部分が種子油のトリアシルグリセロール中に存在することを明らかとした。さらに、海藻類の一部に、共役脂肪酸としては非常に珍しい共役テトラエン構造を有する脂肪酸が存在することを発見した。しかし、海藻中の脂質含有量は極めて少なく、抽出した共役脂肪酸のみを用いて生理活性を検討することは困難であった。そこで、平成30年度では非共役型の不飽和脂肪酸を使用し、海藻中の酵素と反応させて共役脂肪酸を合成することを試みた。非共役型の不飽和脂肪酸としてエイコサペンタエン酸を使用し、海藻から得られた粗酵素液に加え反応させた結果、反応液中に共役テトラエン構造を持つ化合物が生成した。さらに、酵素反応を起こすための至適温度を明らかとし、共役テトラエン型脂肪酸を大量合成するための足掛かりを得た。
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