2018 Fiscal Year Research-status Report
Do BMUs contribute to the livelihood improvement of the fishing households in Tanzania?
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17K15330
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤本 麻里子 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特任研究員 (10555105)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タンザニア / 漁業 / 水産業 / 漁村経済 / 漁家経営 / ダガー産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は8月と2月にそれぞれザンジバルを訪問し、現地調査を実施した。調査地において、継続的に収集している水揚量と水揚げ価格に関する調査票をインフォーマントから回収し、分析を行った。また、ダガー仲買業を営むインフォーマントから、仕入れと出荷および加工経費に関する帳簿を回収し、経営状況の分析を行った。 タンザニア本土において、ダガー漁に用いられる網の使用禁止措置が取られ、実質的に禁漁となったため、多くの漁業者が本土からザンジバルに拠点を移し、調査地の漁村も本土から来た漁業者・加工業者で人が増え、活気づいている様子を観察できた。 これまでの調査から、ザンジバル経済における漁業・水産業の位置づけや、水産業におけるダガー産業の位置づけを分析し、『アフリカ漁民文化論―水域環境保全の視座―』(春風社)の第5章を執筆して公表した。本稿においては、調査村において継続的に収集してきたダガー水揚量のデータをもとに、ダガー産業が地域経済にどのようなインパクトを与えているかを、具体的な数値で分析した。調査村においては成人人口の約50%がダガー産業から現金収入を得ており、また彼らの現金収入はザンジバルの農村部における成人世帯員当たり消費の多くをカバーできる可能性が高いことが、統計データなどとの比較で明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年1月に出産したため、産後の体力低下や育児のため、研究に専念することができず、2018年度は出産前に比べて研究活動のパフォーマンスが低下せざるを得なかった。また、前年の2017年は妊娠中だったため、タンザニア渡航ができず、フィールドワークが行えなかったため新たなデータ収集ができず、アウトプットが滞った。以上の理由により、研究の進捗は当初予定よりはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は子供が保育園に入園できたため、研究時間を確保しやすくなった。また、昨年度2度のフィールドワークを行い、新たなデータを収集できたのでそれらを分析し、新たな研究課題の発掘および論文執筆などを行う予定である。また、各種通信手段を用いてタンザニアのインフォーマントとも定期的に連絡が取れる状況にあるため、必ずしもフィールドワークのみに頼るのではなく、あらゆる手段で現地の情報収集を行いつつ、効率的なフィールドワークを行うことで今後の研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は2018年1月に出産し、自宅での育児を行っていたことから、研究活動に専念することができず、フィールドワークや学会発表、論文執筆などが出産前に比べて十分に行えなかったため、次年度使用額が生じることとなった。出産・育児による研究の遅れが生じ、当初計画よりも研究が遅れている現状がある。 今後については、保育所の利用による研究時間の確保および、託児サービスの利用による学会への積極的な参加を行い、研究活動のパフォーマンスを出産前の水準に近づけるよう努力していく予定である。また、出産前のような長期フィールドワークが困難でも、短期のフィールドワークの回数を増やすことで、研究を効率的に行う予定である。
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Research Products
(3 results)