2017 Fiscal Year Research-status Report
農山村コミュニティ再活性化のための産業創出戦略に関する研究
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17K15333
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
平口 嘉典 女子栄養大学, 栄養学部, 専任講師 (10509285)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 戦略 / 相互作用 / 新産業創出 / 六次産業化 |
Outline of Annual Research Achievements |
明治期における産業創出条件の検討、戦略の理論的検討、現代農山村コミュニティにおける新産業創出の実態把握をおこなった。 研究対象地において明治期に勃興し、昭和初期まで約40年間経営を継続したO製糸場の展開過程の分析から、現代における六次産業化にも適用可能な4つの基本条件を導出した。それらは第1に、地域住民が主体となり現状への問題意識と将来ビジョンを持って事業に取り組むこと、第2に、地域資源を探索し、発見すること、第3に、地域人材の活用、第4に、地域間連携である。これら4条件を産業創出戦略にどのように位置づけるかが今後の検討課題である。 戦略の理論的検討では、主として野中ら(2005) 、Mintzberg(2009)を参照した。野中らが指摘するように、戦略とは他者とのダイナミックな相互作用を把握し、そこで生成する矛盾を綜合するものであり、こうした戦略を農山村コミュニティが持ちえたかどうかの検証が今後必要になる。またMintzberg(2009)によれば、戦略はPlan, Pattern, Position, Perspective, Ployの5つの側面から定義されるが、特に本研究では、過去の事例を対象にすることから、特にPattern(経路)、Perspective(視座)、Ploy(策略)に着目した分析が必要である。 現代農山村コミュニティにおいては種々の事業創出が試みられているが、十分な戦略を備えているとは言い難い。できれば実施以前の段階で他者との相互作用、実施に伴う摩擦、矛盾への対応が考慮される必要がある。また実施段階では、予期せぬ変化に臨機応変に柔軟に対応する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
明治期における製糸業創出条件の検討と戦略の理論的検討により、新産業の創出・発展過程の分析枠組みが、より明確になってきた。農山村コミュニティの戦略を論じる上では、主体の発展経路を時系列的な事実の列挙のみにとどめるのではなく、そこで生じる他者や市場との相互作用、摩擦、矛盾に着目した分析が必要である。次年度において戦中から戦後までの対象地域における産業の創出・発展過程を分析する際に適用したい。
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Strategy for Future Research Activity |
対象地域において戦中・戦後復興期に存在した炭焼き、馬産、酪農の創出・発展過程の把握と集落=コミュニティの有した戦略の解明を行う。さらに、高度経済成長期に見られた出稼ぎ・兼業過程における対象地区の経済・社会構造の変化と戦略の変容・問題点の解明をおこなう。各種産業の状況については、県・市の行政資料を収集し、把握する。当時の状況について、60代から80代の住民を中心にインタビューによって補足する。
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Research Products
(2 results)