2018 Fiscal Year Research-status Report
農山村コミュニティ再活性化のための産業創出戦略に関する研究
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17K15333
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
平口 嘉典 女子栄養大学, 栄養学部, 専任講師 (10509285)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 戦略 / 新産業創出 / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
高度経済成長期、出稼ぎ・兼業過程における経済・社会構造の変化と戦略変容についての検討および、現代農山村コミュニティにおける新産業創出の実態分析をおこなった。 研究対象地において明治期に勃興したO製糸場は昭和初期に消滅したが、戦中・戦後復興期には炭焼き、馬産、酪農といった種々の産業が生まれ、発展した。高度経済成長期に入ると、住民は出稼ぎや兼業によって就業先を地区外へと求めるようになり、地区内の産業は衰退するとともに、人口減少、高齢化が年々進行していった。ところが、1980年代以降、集落の高齢化、人口減少に抗するかのように、地区のコミュニティ組織による活動が活発化し、この組織が主体となり、イベント開催や大学教育活動の受け入れ等の交流事業が盛んにおこなわれるようになった。さらに近年では、かつて地域の基幹産業であった炭焼きに着目し、木炭を用いた発電によってエネルギーを自給する取り組みがおこなわれており、新たな産業創出の機運が醸成されつつある。 現代農山村コミュニティにおける新産業創出の実態分析では、近年注目されるスマート農業の取り組みについて調査分析した。山梨県N市において熟練農業者、定年帰農者、IT技術者が共同して設立した農業法人では、IoTを駆使した農業生産の実践と新規就農者への技術普及をおこなっており、産地維持を目的にした戦略策定と実施が確認された。また農機メーカーK社のクラウドシステムは農業経営管理の簡素化・効率化を実現する革新的な技術であり、汎用性も期待できる。いずれの事例も、農業における第4次産業革命の嚆矢であり、新産業創出の足掛かりになるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
戦後から現在に至る対象地域の発展過程を分析することで、産業の勃興と衰退のメカニズムが明らかになってきた。また現代農山村コミュニティの産業創出を論じる上でも、いくつか先進的な事例を調査することができた。次年度においては対象地域の近年の動向を押さえながら、比較対照となる事例の調査分析を幅広く行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
対象地域における1980年代以降の記録をもとに、活動状況の変遷を把握するともに、現段階における産業創出戦略の検討と導出をおこなう。さらに産業創出戦略モデルの構築にあたり、国内外の農山村における先進事例を調査し、分析参照する。以上から、現代農山村コミュニティにおける産業創出戦略モデルを提示する。
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Causes of Carryover |
現地調査において、現地での滞在日数を減らした関係で当初計画よりも旅費支出が少なくなった。次年度使用額については調査事例を追加した部分の旅費に充当したい。
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