• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2017 Fiscal Year Research-status Report

大麻の系統分類に資するSNPマーカーの探索とその迅速検査法の確立

Research Project

Project/Area Number 17K15475
Research InstitutionNational Research Institute of Police Science

Principal Investigator

山室 匡史  科学警察研究所, 法科学第三部, 研究員 (80646555)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords大麻 / 系統分類 / SNPマーカー / 含有成分プロファイル / 裁判化学
Outline of Annual Research Achievements

平成29年度は、系統分類に資する大麻のSNP探索に向けた準備として、①大麻サンプルの収集、②含有成分情報の獲得、③DNAの抽出を行った。
①系統分類資するSNPマーカーの探索のためには、多種多様な遺伝的背景を持つ大麻のサンプルが必要となることから、まず国内の公的機関からの入手を試みた。その結果、東京都薬用植物園、医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物遺伝資源研究センター、農研機構遺伝資源センタージーンバンク、栃木県農業試験場、北海道庁及び関東信越厚生局麻薬取締部と連携し、適切な手続きに基づき、合計で大麻種子10品種、薬物種大麻の葉27品種を入手することが出来た。また、大麻取締法の取締対象から除外されて一般に流通している市販品から、大麻種子22品目(ペットフード10品目、健康食品11品目、漢方薬1品目)、麻糸11品目、麻殻2品目の計35品目の麻製品を入手した。
②収集した複数系統の大麻種子に関して、ガスクロマトグラフィ飛行時間型質量分析による網羅的化学分析を行い、種子の状態における成分プロファイル情報を獲得した。さらに、種子一粒から出来るだけ多くの情報を獲得するという観点から、含有成分だけでなく、外形(長径、短径、長径と短径の比率)や重量など外観的な特性についても詳細な解析を行った。
③次年度以降に予定されている次世代シーケンシング解析に先立ち、大麻サンプルからトータルDNAを効率的に抽出することが必須である。収集した各種大麻サンプルからのDNA抽出手法について検討を行い、種子については、一粒からであっても解析に十分な量のDNAが抽出可能であることが確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

大麻サンプルの収集に関して、大麻取締法上の問題から、遺伝的背景が明らかな大麻(特に海外産のもの)を入手することに困難を伴ったが、市販されている不発芽処理された種子製品からのDNA抽出が可能であることが判明し、当初想定していたより多くの系統のサンプルを確保出来る見込みとなった。ただし、種子の状態では、幻覚成分テトラヒドロカンナビノールなど、重要な各種カンナビノイドを網羅した成長後の含有成分プロファイルが得られないため、次年度以降に予定されているDNA情報との相関についての解析は、従来の想定よりも少ない試料数で行う必要が生じている。
一方で、種子の状態であっても含有成分プロファイルを詳細に見ていくことで、差異が見られるケースが確認された他、種子1粒に対するDNA検査の結果、薬物種と繊維種の交雑系統が発見されるなど、想定外の新知見も得られている。

Strategy for Future Research Activity

収集した各種大麻サンプルからトータルDNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いた系統分類やSNP探索を試みる。従来はRestriction Site Associated DNA sequence(RAD-seq)法を採用する予定であったが、近年さらに安価かつ効率的なSNP探索手法としてMultiplexed ISSR Genotyping by Sequencing(MIG-seq)法が報告されていることから、解析手法を十分に吟味して選択する必要があると考えている。
また、それと並行して各種大麻サンプルに対して化学分析を行い、含有成分プロファイルを獲得し、DNA情報との相関について解析していく予定である。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた最大の原因は、物品費に大幅な未使用額が生じたことである。計画立案段階においては、次世代シーケンシング解析としてRAD-Seq法の実施を予定しており、その準備(DNAライブラリー作製等)のために必要な消耗品をはじめとする物品費を平成29年度に計上していた。しかしながら、文献調査の結果、より安価かつ効率的な解析手法であるMIG-Seq法が確認されたため、MIG-Seq法の適用の可否を吟味した上で研究計画の再検討を行うこととし、RAD-Seq法の実施のための物品費の執行を一旦留保した。平成29年度未使用額は、その結果、翌年度への繰り越しとなったものである。MIG-Seq法の適用の可否が明らかになった段階で、平成29年度未使用額は、翌年度分の助成金と合わせ、次世代シーケンシング解析の準備及び解析実施のためのに使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] アレル特異的PCR法を利用した大麻種子のDNA解析-薬物種/繊維種の識別及び雌雄判別-2018

    • Author(s)
      山室匡史,瀬川尋貴,岩田祐子,桑山健次,辻川健治,金森達之,井上博之
    • Organizer
      日本薬学会第138年会

URL: 

Published: 2018-12-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi