2017 Fiscal Year Research-status Report
細胞老化における小胞体膜貫通型タンパク質OASISの役割
Project/Area Number |
17K15599
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅田 梨絵 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (70751882)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小胞体 / DNA損傷 / 核膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体は核膜と連続した細胞内小器官であり、細胞の生理機能制御において核・核膜との連携が示唆されている。本研究課題では小胞体膜タンパク質OASISに着目して、DNAや核膜の損傷、またそれらに起因して誘導される細胞老化における小胞体・小胞体局在分子の役割を明らかにすることを目的としている。 今年度は、DNA損傷時のOASISの発現誘導シグナルとOASISの役割について解析した。OASISが高発現する中枢神経系アストロサイトにドキソルビシンやX線照射によってDNA損傷を与えるを、OASISの発現が転写レベルで誘導された。OASIS転写誘導の上流分子を特定するため、DNA損傷応答シグナルに着目し各種阻害剤を使用して解析を行った。その結果、ATMを阻害した時のみにOASISの転写誘導が著しく抑制され、DNA損傷の際に活性化したATMの下流でOASISの転写が誘導される事が明らかとなった。 次に、DNA損傷時のOASISの細胞内局在について調べた。ドキソルビシン処理やX線照射によりDNA損傷を与えると、核膜の一部が突出したような構造(Bleb)の形成と、Blebの膜表面にOASISが高密度に集積した細胞が散見された。Bleb形成は、ウイルス感染や微小核形成、部分的な核膜損傷など様々な局面で観察される。Blebに集積したOASISの役割を明らかにするため、OASIS欠損細胞にDNA損傷を与えると、DNA損傷応答シグナルが増大しており、損傷の程度が増加することがわかった。これより、OASISは損傷したDNAの排出や核膜の安定性などと関わることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、OASISの発現誘導シグナルとOASISの役割を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
OASISの機能の詳細と、疾患との関連性について解析を進めていく。
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[Journal Article] Sec16A, a key protein in COPII vesicle formation, regulates the stability and localization of the novel ubiquitin ligase RNF183.2018
Author(s)
Wu Y, Guo XP, Kanemoto S, Maeoka Y, Saito A, Asada R, Matsuhisa K, Ohtake Y, Imaizumi K, Kaneko M
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Journal Title
Plos One
Volume: 13
Pages: e0190407
DOI
Peer Reviewed
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