2018 Fiscal Year Annual Research Report
The role of ER-resident transmembrane protein OASIS in cellular senescence
Project/Area Number |
17K15599
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅田 梨絵 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (70751882)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小胞体 / DNA損傷 / 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体は核膜と連続した細胞内小器官であり、細胞の生理機能制御において核・核膜との連携が示唆されている。本研究課題では小胞体膜タンパク質OASISに 着目して、DNAや核膜の損傷、またそれらに起因して誘導される細胞老化における小胞体・小胞体局在分子の役割を明らかにすることを目的としている。 OASISは活性化すると膜内切断を受け、生成されたN末端断片は転写因子として機能する。DNA損傷によってOASISは転写レベルで発現が誘導されると同時にN末端断片の増加も見られた事から、本年度はOASISの転写因子としての役割に焦点を当てて解析をした。 初代培養したアストロサイトにドキソルビシンを処理し、DNA損傷を起こすと細胞周期抑制因子であり、細胞老化のマーカーとしても使用されるp21やp16のタンパク量がDNA損傷依存的に増加した。一方、OASIS欠損(KO)アストロサイトにおいては増加は見られなかった。BrdUアッセイを行うと、p21やp16の発現量と一致して、WTアストロサイトではDNA損傷依存的に細胞増殖が抑制されたのに対し、KOでは細胞増殖速度の低下が見られなかった。細胞老化アッセイの一つであるSA-β-gal染色を行うと、WTではドキソルビシン処理後3日目に多くの細胞が染色陽性を示すのに対し、KOでは染色がほとんど見られなかった。また、DNA損傷を与えたアストロサイトを用いてRNA-seqを行った。その結果、KOにおいてDNA損傷依存的な発現増加が軽減した遺伝子には、細胞周期停止、小胞体―ゴルジ体間輸送および細胞老化関連分泌形質(Senescence-Associated Secretory Phenotype; SASP)に関係する遺伝子が多く含まれていた。 以上より、アストロサイトの細胞老化においてOASISが重要な役割を担うことが明らかとなった。
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