2019 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of HBV infection mediated by extracellular vesicles
Project/Area Number |
17K15709
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
真田 崇弘 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 研究員 (60721272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HBV / エキソソーム / ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、培養細胞系およびB型肝炎ウイルス(HBV)感染モデル動物を用いて、HBVのエキソソームを介した新規感染機構の解明、感染性の評価および予防法の確立を目的としている。 本年度は、エキソソームを介したHBV感染を防御できる新規予防ワクチンの構築を試みた。従来のワクチンで使用されてきたHBs-S抗原もしくはHBs-Sに加えてpreS1およびpreS2領域を含むHBs-L抗原を細胞性免疫の誘導が期待されるHBc抗原と混合し、免疫原とした。これら免疫原をHBVに感染感受性を示すツパイに、皮下接種や鼻粘膜投与など各種投与法により免疫を行い、誘導される免疫応答の比較解析を行った。その結果、HBs-LとHBcを混合して免疫することで、強い免疫応答を誘導できることが明らかとなった。さらにはカルボキシポリマーを基剤として加え、鼻粘膜に噴霧する方法が、IgG抗体、IgA抗体、中和抗体および脾細胞のウイルス抗原に対するIFNg応答を最も強く誘導できることが見出された。 またさらなる新規ワクチンの開発を目指し、ウイルス蛋白質を発現する核酸ワクチンの構築を行い、マウスを用いて免疫応答の評価を行った。その結果、HBVに対する免疫応答の誘導が確認された。 エキソソームを介したHBV感染は、中和抗体では防御できないことから、これらの感染予防には抗体応答だけでなく細胞性免疫を誘導することが重要であると考えられる。これら免疫法がエキソソームを介した感染を含むHBV感染を防ぐ新たな予防法となることが期待される。
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