2019 Fiscal Year Annual Research Report
The development of diagnostic tool for severe fever with thrombocytopenia syndrome (SFTS) in a SFTS-endemic area in Japan.
Project/Area Number |
17K15778
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松田 基弘 宮崎大学, 医学部, 助教 (90770149)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 重症熱性血小板減少症候群 / SFTS抗体 / SFTS抗原 / マダニ媒介感染症 / ELISA / イムノクロマトグラフ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
SFTS感染症の診断に使用可能な免疫血清学的な測定法を開発するため、現在までに以下の研究を実施した。2017年度までに①SFTSの核蛋白質(NP)を大腸菌発現ベクターに組換え、大腸菌で組換え蛋白質を発現させた。②この組換え蛋白質を用いてウエスタンブロットを実施しSFTS既往患者血清の全例からNPに対する特異抗体が検出し、患者抗体の検出に使用できることを確認した。③精製した組換えNPを抗原にしたdouble antigen ELISA法を作成し、SFTS感染初期より経時的に採取した数例の血清について調べた結果、感染初期よりNPに対する抗体が検出され、SFTSの診断に有効な可能性を示した。④さらに組換えNPを免疫源としてウサギに免疫して、アフィニティ精製抗NP抗体の精製も成功した。2018年度はこの精製NP蛋白およびアフィニティ精製ウサギ抗NP抗体を用いてdouble antigen immunochromatography assayを作成した。この方法を用いることでSFTS患者の時系列血清から回復後のみならず、急性期においても抗体が検出されることが判明し、RT-PCR法と組み合わせて用いることで、患者の診断に寄与できる可能性が示された。また本方法はベッドサイドで簡便に検査を行うことができ、更にdouble antigen法は動物種を選ばないため、疫学調査にも有用である可能性がある。これらのことから、宮崎大学より特許の申請を行った。2019年度はアフィニティ精製ウサギ抗NP抗体を用いて患者血清中のウイルス蛋白(抗原)の検出が可能かどうかについて基礎的な検討を行った。以上の通り当初の研究計画どおり進行している。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)と日本紅斑熱(JSF)における鑑別点の検討.2019
Author(s)
川口剛, 木村賢俊, 川田千紘, 岩尾浩昭, 河野彩子, 仮屋裕美, 松田基弘, 宮内俊一, 梅北邦彦, 高城一郎, 岡山昭彦.
Organizer
第93回日本感染症学会総会・学術講演会.
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