2019 Fiscal Year Research-status Report
線量分布と治療中CBCTの画像特徴量を用いたレディオミクス研究
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17K15799
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名和 要武 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00456914)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Radiomics / 特徴量解析 / 医学物理学 / 画質改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、レディオミクス画像特徴量解析により、放射線治療における線量分布やCBCTなどの医用画像が含む画像特徴量から、治療の奏功や予後を高精度に推定する新たな技術を構築することを目的とする。従来のレディオミクス研究は、診断用に撮像されたCTやMRから画像特徴量を抽出し、患者の予後との相関を評価する研究が多かった。しかし、患者の予後と直結するのは、その患者に施術した治療の内容そのものである。当該年度では、前年度に引き続き、放射線治療計画装置から得られる患者体内の線量分布を解析対象とした。前年度に構築したプログラムを用い、抽出される画像特徴量の線量計算アルゴリズムや計算グリッドサイズに対する依存性を検討した。 また治療中CBCTのレディオミクス解析については、コーン状の線束を用いることに起因するアーチファクト等により、患者情報に係る重要な画像特徴量が消失している可能性があった。 CBCTからレディオミクス画像特徴量を高精度に抽出するための前処理として、引き続き深層学習を用いたCBCTの画質改善研究を行った。無矛盾性を考慮した敵対的ネットワーク(CycleGAN)を用い、骨盤部のCBCTと高解像度の治療計画CTのデータセットを教師データとして採用した。結果として、新規に入力するCBCT画像に対して、解剖学的構造を保全しつつ、画質のみを治療計画CTと同程度に高画質に変換することに成功した。特に教師データは、同一患者の画像を含まなくても良いレベル(unpaired data set)まで一般化した。これにより、異なるモダリティで撮像された画像は一般に解剖構造が異なるという臨床の実状に合わせて、同技術が運用可能であることを明らかにした。本研究は海外誌Medical Physicsに掲載のうえEditor's Choiceにも選出されており、世界的に高い評価を受けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
線量分布から画像特徴量を抽出するプログラムの構築および改良を進めた。また、CBCTのレディオミクス解析の前処理として、深層学習を用いてCBCTを画質改善させる研究を遂行し、海外誌に掲載のうえEditor's Choiceに選出されるなど大きな成果が得られた。一方で、線量分布から抽出される画像特徴量の線量計算アルゴリズムや計算グリッドサイズ依存性については引き続き精査の必要があり、上記区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、引き続き患者の実臨床データを用いて、治療の奏功および予後と強相関な線量分布の特徴量の抽出を継続する予定である。正常臓器の放射線による副反応と線量分布が持つ画像特徴量との相関も評価する予定である。 また、深層学習を用いたCBCTの画質改善研究を継続し、臓器の連続性を保証するような新たな数学モデル等を正則化に用いて、画像ドメイン変換を安定化させる枠組みの構築を検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度にGPUマシンの購入を予定していたが、次年度に最新版が発売されるにあたり、次年度での執行が適切と判断したため。
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Research Products
(9 results)