2018 Fiscal Year Annual Research Report
Using MRI findings of cortical cerebral microinfarcts and sero-biomarker to investigate the mechanism underlying the cognitive dysfunction in patients with internal carotid artery stenosis
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17K15828
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高杉 純司 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40796033)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症 / 頚動脈狭窄 / 皮質微小梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
内頚動脈狭窄症は高齢者に多く,認知機能低下と関与することが知られている.内頸動脈狭窄症患者では,ラクナ梗塞,皮質脳梗塞,大脳白質病変などの虚血性脳障害が認知機能低下と関連することが報告されているが,このような粗大な病変がない症例でも認知機能低下を認めることがあり,微小な虚血性病変である皮質微小梗塞(CMI)が認知機能低下に関与している可能性がある.内頚動脈狭窄患者において,DIR画像を用いた3T MRI検査により検出される皮質微小梗塞と臨床的・画像的特徴,血液バイオマーカー及び認知機能との関連を検討した. 当科外来を受診した頚動脈エコーで内頚動脈狭窄症(>30%)を有する89例を前向きに登録し,頚部・脳MRI検査を撮影して,血液検査と神経心理検査を行った.CMIは脳MRIの3D-DIR画像と3D-FLAIR画像で高信号を示し、T1強調画像で低信号を示す、径5mm未満で皮質に限局する病変と定義した.内頚動脈の狭窄率はMRAでNASCET法を用いて評価した.3DT1強調black blood画像で,胸鎖乳突筋に対するプラーク内の信号比が150%以上の場合にプラーク内出血と定義した.内頸動脈狭窄症患者においてCMIは患側で有意に多く,プラークの不安定性を反映するプラーク内出血と関連したことから,CMIの機序としてプラークからの微小塞栓の関与が考えられた.また皮質微小梗塞は,認知機能全般の低下及び,処理速度と視覚認知機能の低下と関連した.血液バイオマーカーとの関連は認めなかった.以上の成果から,内頚動脈狭窄患者において,不安定プラークは皮質微小梗塞のリスクを増し,それに伴う認知機能障害を起こしうることが明らかとなった.頚動脈硬化症は認知症の潜在的治療ターゲットとなり得る可能性を見出した.
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Research Products
(5 results)