2017 Fiscal Year Research-status Report
Development life course approach to birth cohort study
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17K15835
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹内 文乃 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80511196)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 出生コホート / 同時モデル / 条件付モデル / ライフコース疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究実績は3年計画の「小児環境疫学研究へのライフコースアプローチの適用」研究の初年度のものである.3年間での目的は子どもの成長発達に関わる健康上の問題について,曝露状況が経時的に変化するような状況に対応する統計モデルを実データに適用することである.H29年度は小規模なコホートデータを用いて曝露が繰り返し測定されており,経時的な曝露の影響を因果パス図として整理し,各種統計モデルを用いて効果の推定を実施した.研究成果の中間発表としてアメリカ統計学会連合大会において口頭発表およびポスター発表を実施した.本年度利用したデータは,成育医療研究センターで実施している出生コホート研究(成育コホート)のデータである.成育コホートは2003-2005年にかけて成育医療研究センターを受診し,研究に同意した1,703人の妊婦を研究対象者とし,生まれた子どもを既に12歳の年齢まで追跡している出生コホート研究である.妊娠中から子どもの成長発達に影響する可能性のある各種曝露情報が収集されており,健康アウトカムについても妊娠中,生後3ヶ月から3歳まで半年ごと,3歳以降1年ごとの調査票および5歳と9歳時点で実施した専門医の対面による健康診断で評価を実施した.本年度は妊娠中から乳児期の有毛ペット保有の有無(3時点で評価)を反復測定曝露とし,5歳時点でのアレルギー疾患(食物アレルギー,喘息,アトピー性皮膚炎のいずれか)発症の有無をアウトカムとし,親のアレルギー既往暦,離乳食,掃除や洗濯の頻度を共変量として条件付モデル,同時モデル,軌跡解析を用いて結果の比較を行った.特に条件付モデルを用いると,特定時点の曝露が直接的に疾患発症に影響する程度と,他の時点の曝露や共変量を経て間接的に疾患発症に影響する効果を分離することが可能となり,特定の時点間の曝露の健康影響の大きさを比較するのに有用であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた研究計画仮説の検証および学会における口頭およびポスター発表を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り2年目の課題に取り組むと同時に,1年目の成果を論文として投稿することを目指す
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Causes of Carryover |
コンピュータの追加購入に関しては,統計解析に利用しているソフトウェアが最新のOSのバージョンに対応していなかったため,次年度以降に改めて購入することとしたため利用しなかった.また,国際学会への出張については予定していたものにはすべて参加したが,そのうち2箇所については別基金から支出してもらうことになったため,本研究費での支出が不要となり,来年度に持ち越しすることとした.
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