2018 Fiscal Year Research-status Report
大規模コホートによる慢性腎臓病の生活習慣リスク因子の解明
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17K15850
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
蒲澤 佳子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (70529726)
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Project Period (FY) |
2018-02-28 – 2022-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / コホート研究 / 生活習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性腎臓病(CKD)の生活習慣関連リスク要因を前向きコホート研究を用いて検討することを目的としている。具体的には、CKDの新規発症と生活習慣関連要因を検討すること(スタディ①)、CKDと生活習慣、関連マーカーの相互関連を検討すること(スタディ②)が含まれる。対象者は魚沼コホート研究が基本であるが、近隣地域で行われている同様のコホート研究である湯沢コホート研究も含めた解析が一部で可能であった。H30年度は特に以下について行った。 スタディ①: 魚沼・湯沢コホート研究のベースラインデータの整理を行い、アンケート対象者 (n = 43,216)と健診対象者のデータセットを作成した。ベースラインアンケートと健診情報の両方ある対象者(n = 6,945)において、アルブミン排泄量(ACR) 30mg/g未満は78.4%、推定糸球体ろ過量 60ml/min/1.73m2以上は83.3%に認めた。また、自己申告CKDの病院診療録確認について、主な関連病院の倫理審査を受け、許可を受けた。地域住民に向け、魚沼・湯沢コホート研究本体の住民向け公開講座(9月14日)において本研究の進捗状況を報告した。 スタディ②: ・生活習慣関連マーカーとCKDの横断解析: 魚沼・湯沢コホート研究のベースラインアンケートと健診情報の両方ある対象者において、アルブミン尿と食事摂取頻度調査結果を解析し、食事性酸負荷とアルブミン尿 (ACR 10-299mg/g, 30-299mg/g)の関連を明らかにした。さらに、この検討では、カリウム摂取量とアルブミン尿に負の関連も認めた。また、生活習慣や生活習慣関連マーカーとdipstick潜血尿や蛋白尿の関連について検討を行った。 ・保存血液・尿検体の測定: 魚沼コホート研究の保存検体数・状況の整理を行い、本年度は血清6,400検体の尿酸や電解質の測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに、初年度はベースラインデータの整理、ならびに横断解析を進めるとともに、保存検体の測定を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、スタディ①は、アンケートによる自己申告CKDの診療録または健診結果による確認を行い、アンケートによる自己申告CKDの妥当性の検討を進める。スタディ②は、残りの検体測定を進め、追加測定データの整理ならびに既存の生活習慣データ等との横断解析を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は日本腎臓学会が地元新潟で行われ、学会旅費が少なく済んだ。そして、検体測定の数も同意撤回の追加等があり、次年度使用額が発生した。保存検体の測定は、次年度に残りの検体測定を進める予定であり、次年度の保存検体測定に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)