2018 Fiscal Year Research-status Report
新規ミトコンドリア関連分子USMG5が拡張型心筋症の発症進展に与える機序の解明
Project/Area Number |
17K15995
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
永田 庸二 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (50632478)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 拡張型心筋症 |
Outline of Annual Research Achievements |
生後1日齢のマウス心臓より分離培養して得られたneonatal mouse cardiomyocyteを用いて、SiRNAによるUSMG5ノックダウンモデルを作成し、マイクロアレイにて、心筋関連分子、ATP関連分子、心不全関連分子の網羅的な遺伝子発現解析さらに、その結果をふまえてパスウェイ解析を行った。心不全関連分子、ATP産生に関連した分子の遺伝子発現を確認し、マイクロアレイとは別の手法による結果の再確認を行った。natriuretic peptide precursor A(NPPA)、B(NPPB)ではquantitative PCR法にて上昇していることを確認できたことから、USMG5ノックダウンneonatal mouse cardiomyocyteは、in vitro においても心不全状態であることが示唆された。現在、USMG5ノックダウンneonatal mouse cardiomyocyteにおいてATP産生能の測定に関する条件検討を行った。SiRNAによるUSMG5ノックダウン後からATP産生の時間経過を測定し、心不全関連分子、アポトーシス関連分子などとの発現時期の差異に関する検討を行った。neonatal mouse cardiomyocyteを用いた結果が、以前我々が報告したゼブラフィッシュを用いた結果と比較し、異なる結果が認められた項目に関しては、動物種や細胞と動物個体などに関する差異とも考えられ、現在さらなる検討を加えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生後1日齢のマウス心臓より分離培養して得られたneonatal mouse cardiomyocyteを用いて、SiRNAによるUSMG5ノックダウンモデルを作成し、マイクロアレイにて、心筋関連分子、ATP関連分子、心不全関連分子の網羅的な遺伝子発現解析さらに、その結果をふまえてパスウェイ解析を行った。心不全関連分子、ATP産生に関連した分子の遺伝子発現を確認し、マイクロアレイとは別の手法による結果の再確認を行った。natriuretic peptide precursor A(NPPA)、B(NPPB)ではquantitative PCR法にて上昇していることを確認できたことから、USMG5ノックダウンneonatal mouse cardiomyocyteは、in vitro においても心不全状態であることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、USMG5ノックダウン心筋細胞における細胞内ATP活性の評価を行う。ホタルルシフェラーゼアッセイを用いて細胞内ATP活性を評価し、USMG5ノックダウン心筋細胞におけるATP産生能の低下を証明する。更に細胞外フラックスアナライザーを用いて細胞内OCRを計測し、USMG5ノックダウン心筋細胞における酸素代謝機能の低下を証明する。AMP-activated protein kinase (AMPK) signaling pathwayは、細胞内ATP活性の低下に応じて代償的に賦活化される経路として知られる。したがってUSMG5ノックダウン心筋細胞では細胞内ATP活性の低下から、この経路が賦活化されている可能性がある。Western blotによりAMPK signaling pathwayの賦活化を証明する。3-B. Usmg5ノックダウン心筋細胞におけるROS蓄積の評価を行う。MitoSox Red染色を用いてミトコンドリア内ROS蓄積量の評価、およびDCFH-DA染色を用いて細胞内ROS蓄積量の評価を試みる。またFluo-4染色を用いて細胞内ROS蓄積の結果として生じる細胞内Ca濃度の上昇を証明する。
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Causes of Carryover |
当該年度では、マウス心筋細胞を用いたATP産生能に対するDAPITの影響を検討する予定であったが、SiRNAによるDAPITノックダウンの条件検討する過程において、(1)マウス心筋細胞の初代培養の採取、(2)SiRNAの導入効率、(3)適切なノックアウトの確認、以上の点で難渋した。特に、主として(1)での条件検討を行い、以後予定であった(2)、(3)の過程が予定通り進行せず、このために予定経費が未使用として残存となりました。
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